ひかせつ 0707
「光くんってな、嫉妬とかするん?」
「は?」
予想もしてなかった刹那からの質問に危うくおしるこの缶落とすとこやった。今、なんやて?嫉妬?
「あ、ちゃうねん!別に深い意味はないっちゅーか…ええと、そう!光くんって束縛されんのとかあんま好きそうやないから嫉妬とかもせぇへんのかなって…」
身振り手振りをしながら説明する刹那にこっちか呆気にとられてしまう、だってやで目の前で好きな子が嫉妬がどうとか束縛がどうとかいってるんやで?というか俺は刹那からしたらそこまで冷めとるようにとられとるってことか?刹那に対してこれっぽっちも執着がないみたいに本人は思ってるんやとしか思えへん、悔しい。
「ご、ごめん変な事聞いたね、忘れて!今のなしで!」
「刹那」
「な、何?」
細い手首を掴む、力を入れたら折れてしまうんやないか。
「格好悪いから刹那には言いたくなかったんやけどな、俺めっちゃ嫉妬するで?」
「え、?」
「ほんまは他の男となんか話してほしくもないし謙也さんにまでズルイって思ってる」
「ひ、かるくん?」
右手で頬を撫でると刹那の肩が揺れる、俺の口からそんな事言われるなんて思ってもへんかった?
「俺ん中に閉じ込めておきたいほど好きやねん、そこんとこはわかっといてな」
刹那が何かを告げる前にその声を奪った。
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