ひかせつ 0707

ノートを書き写す為に顔をあげるその仕草を後ろから見てるだけてほんま飽きひん、なんでこんな愛おしいん。つい、構って欲しくて手を伸ばし髪に少し触れるとこちらを振り返る俺の可愛い嫁、と言ってもええやろ。やって彼女やし、俺の嫁やし。

「どうしたん?」

小声で刹那が問いかける。構って欲しかったからなんて本音は言えへん、かっこええままでいたいやん。やからつい「なんでもあらへん」なんて本音からかけ離れすぎた言葉しか言えへん俺は何やねん、ヘタレか、謙也さんか。

「何やそれ」

そんな態度にも怒ったり呆れたりするわけでもなく、分かってくれてるかのように小さく笑って返してくれる刹那やから好きなんや。
はよ授業終わらんかな、眺めるのも好きやけど顔見て話したいねん。



category:庭球
タグ: ひかせつ


ALICE+