ひかせつ 0707

「ひっ…光くん、ここ図書し」
「ええから黙って」

この位置やと声ださん限り気づかれへん、左手は顔の横に置き右手で刹那の口を覆い声を奪う、壁ドンっていう格好やろ。
そんなに身長高くない俺でも小さい刹那やったらすっぽりや、こうしてしまえば抵抗なんて出来ひんしまして力やったら負けることはない、俺やってちゃんと鍛えとるんや。
俺の後押しが聞いたのか口元を覆っていた手を離しても刹那#は口を開かず困惑と取れる表情を浮かべていた。それもそうや、図書室で迫られるなんか思ってもないやろ。
言葉を発せず距離を縮める、触れるか触れないか寸前の距離。刹那の眼に俺が映ってるのが妙に気持ちを高揚させる。
開いた右手で頬に手を添えると同時に唇を塞ぐ。刹那の身体がぴくりと揺れるのも気にせず啄むように何度も角度を変えては唇を堪能する、何でこんな柔らかいんやろ。ほんま、刹那やからやろか。合間合間に深く口付ければ苦しそうな息が漏れる、そういうのあかんて絶対俺以外に聞かせたらあかんで。
ちゅっ、とリップ音を立て名残惜しいが唇を離すと真っ赤な頬と息を整える刹那の姿が可愛くて可愛くて。

「っ…、ひ、かるくんの、馬鹿…っ」
「馬鹿はないやろ、真っ赤な顔しとんのに」

ここで止めるのは男としてもあかんよな?



category:庭球
タグ: ひかせつ


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