ひかせつ 0707

放課後の二人しかおらへん教室に俺と刹那の二人きり、ここまでやったらまだわかる。
けど日誌を前に座っとるわけやなく俺が刹那を机の上に押し倒してる状況下。どうしてこんな状況になったのか俺自身ですらよく理解出来てない、頭の整理が追いつかん。
俺の本能が悪いんか、せやったら今すぐにでもこの手どけて刹那を自由にしてやったらええやろと頭の片隅では思っとる。夕陽で赤く染まる刹那の顔には困惑としか受け取れなかった。

「ひ、光くん?どないし」

唇が触れるか触れないかの距離まで顔を近付けると刹那の口は閉じられた。長い睫毛がぎゅっと伏せられる、怖いんかな。手首を抑えていた手をゆっくりと刹那の指に絡める。顔を離し上から刹那を見下す事に優越感を抱いている自分自身に憎悪を感じながら、あぁでも俺も男やねん、仕方ないやろ。
触れるだけの口付け、これだけだ満足出来るなら何よりなんやろうか。



category:庭球
タグ: ひかせつ


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