たけあや 0312
細いというより華奢、俺には及ばないけど取っ組み合うとどこからそんな馬鹿力が出てくるんだって程。腰まで伸びた灰色を一つに結っている後ろ姿。探し物があるから、と部屋を出ていった絢にする事も特になく暇をもて余していた昼下り、絢に着いて図書室にきた俺は本に視線を落としたまま立ち尽くしている絢の腰に背後から腕を回した。
「っ?!?」
声もでないぐらいそんなに大袈裟な、と思える驚きっぷりを示した絢に思わず吹き出す、読んでいた本を落とす程驚くかよ。
「なっ、な」
「何?」
「ってハチ!あんた何やって…!」
腰は完全にホールドされてるから動けない状況、顔だけをこっちに向ける絢。あ、わかりやすいぐらいに頬が赤い。肩口に顎を乗せると石鹸の香りと混ざる甘い匂い。
「んー?いや、別に」
「用がないなら離れて」
「それは無理」
「…っ!」
そういう態度がまた、可愛い。仕草一つ一つに奪われる俺は自分が思っている以上に絢が好きみたいだ。
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