兵助と綴と樹 0619
食堂の前を通りすぎようとした時に杏仁豆腐を幸せそうに食ってる綴を発見。一人とは珍しい、周りを見渡しても兵助はいないようだ。兵助がいないならチャンスかもしれねぇ。
綴ー、と意気揚々に食堂に足を踏み入れようとしたその瞬間、結っている髪を誰かに思いっきり引っ張られ、そのまま後ろに転びそうになった。なんとか踏ん張ったけど、誰だよ人の髪引っ張るなんてする奴は。振り向いた先には軽く息をきらせながら片手は俺の髪、もう一方には豆腐を持った兵助がいた。…成る程、この図で何となく理解した。
「…よぉ、兵助。息きらしてどうしたんだよ」
「…っは、樹。今から食堂に用事があるから其処を退いてくれないか?」
「俺も食堂に用事があんだけど、てか痛いから手放せって」
「樹が退いたら放す」
「なにそれ理不尽」
ぐぬぬぬぬ、とそのままの体勢でお互い睨み合う。兵助とはいつもこうだ。俺がこいつの片割れである綴を好きだからってのが原因だけど。確かに兵助は俺より綴の事を知っているし傍にいる時も断然多い。だからそれがなんだ、実の兄に邪魔されようが俺は食い下がらねぇよ。
「くく兄いたいた!遅いよー、ってあれ?樹もいるじゃん、何やってんの?」
「あ、」
「綴」
どうやって兵助の豆腐攻撃を回避しようと考えていた矢先、食堂からひょっこりと綴が顔を出したことで睨み合いはまるでなにもなかったかのように終わった。そのまま三人で昼飯を食うことになるとは俺も兵助も予想外が連発する昼下がり。
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