くくつづ 0619

「綴。お前寝てただろ」

肘をついたままこっくりこっくり、身丈の何倍もある杏仁豆腐にもう食べられないよ嗚呼しあわせ!杏仁豆腐最高!と浸っていたところを兵助に小突かれて現実に引き戻される。…なんだ夢だったのかぁ、杏仁豆腐…。

「巨大杏仁豆腐が…」
「巨大杏仁豆腐?それより綴」

なに、尋ねる前に目の前に差し出された束。なにこれ、記憶にないけど何となく嫌な予感しかしない。

「…兵助、これ」
「言わなくてもわかるよな?」

本日の授業の課題、そういうことだろう!やってしまった…巨大杏仁豆腐の誘惑に負けて完全に授業を睡眠で放棄してしまった…。机に突っ伏すと再び眠気がやってきて…。

「こらこらこら、寝るなって」
「…違うんだよ兵助。夢で杏仁豆腐が呼んでるんだ」
「現実逃避しない」

呆れ顔を浮かべた兵助に口を尖らせる。

「手伝ってやるから頑張れるか?」
「頑張れる!」
「ただし杏仁豆腐一週間抜き、これで手を打とう」

…兵助さん。今なんと?杏仁豆腐が一週間だとか、あってはいけない単語が聞こえた気が。

「…え、ちょっと聞き間違えした気が」
「杏仁豆腐、一週間抜き」
「聞き間違えじゃなかった!!兵助それだけは勘弁して、お願いいぃぃ!!」

この通り!両手を合わせて頼み込むものの兵助は拒否。今日の兵助なにかおかしい、いつもと違う。

「お願いされても駄目だ、授業中に寝る綴が悪い」
「…へーすけのゆうとうせーい」

一ヶ月抜きにするか?と、兵助の鬼のような言葉には勝てず、結局課題をこなせた反面杏仁豆腐が一週間犠牲になったのである。



category:落乱
タグ: くくつづ


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