たけあや 0619
ハチに手を引かれ外出した先は一件のお土産屋が並ぶような所。確かに暇はしてた、だからといって無理矢理外出に付き合わされるとは、本当ハチのペースに巻き込まれまくりな自分が悔しいけど連れ出してくれるあたりはまぁ、嬉しい。
ハチはというとお土産屋巡りをしながらいろいろと手に取ってみたり一人で楽しんでいるようだ。私いなくてもよかったんじゃ…。
仕方ないから一人でお土産屋をぶらぶらと歩いてみる。
「あ、」
可愛い簪。小さな花がゆらゆら揺れて可愛い。手に取って見てみる。
「…可愛い」
「簪か?」
背後から覗き込むように入り込んできたハチに簪を取られる。
「ちょっとハチ!」
「へー、絢こういうの好き?」
「…っ、どうせ可愛いものなんて似合わないわよ」
私だって女の子だ、簪みたいな女の子らしいものだって好き。例え忍びには必要のないものだとしても。ハチの手から簪を取り返そうとしてハチの服を引っ張ってみたりしたけど効果は全くなし、簡単に避けられてしまう。か、からかってるつもりか…!
「ハチ!」
「すみません、これ一つ」
…はい?店主とハチが会話をしながらやり取りをする光景だけが目に入る、ちょっとどういうこと?思考が追い付かず、固まっているところをまた手を引かれ人通りの少なくなった木陰に入る。ハチの手にはさっち私が持っていた簪が握られていて、不馴れな手付きで私の髪に簪が飾られる。
「お、似合うじゃねーの」
ニカッ、と。楽しそうに笑うハチに髪をガシガシというかぐちゃぐちゃというか乱雑に撫でられる。折角簪を飾ってもらったというのにこれじゃ意味がない。
「ハ、ハチ!」
「なんだよ?」
「…簪、ありがとう」
「おう。珍しく素直で可愛い」
「ば、ばっかじゃないの!!」
たまにされる女の子扱いに、ハチが男だって実感するなんともいえない素直じゃない私。
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