刹 0619

「オイ、貸せ」

視界を半分埋め尽くしていた資料が消える。

「わ、刹先輩？！」
「これ、図書室のだろ」
「そうですけど…、っていいです、持ちますから！」
「前をふらふらほっつき歩かれるとこっちが困るんだよ、いいからおめーはこれでも持っとけ」

渡されたのは竹筒に入った杏仁豆腐、何故刹先輩が杏仁豆腐を…、聞かなくても経路はわかるけど。今は刹先輩の優しさに甘えることにした。



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