澪と新 0513
入院をしている佐久間と源田のお見舞いに行ったのだが、二人の様子が何だかおかしい気がする。
何だろう、違和感というか普段の二人とは何か雰囲気が違っていた。
特に佐久間、嫁とは幼馴染だ。どんなに微妙な変化だろうと嫁の違和感を私が見過ごすはずはない。
病室を出て廊下に背を預け考える。
私が来る前に何かがあった、もしくは誰かと接触した…、多分どちらかだろう。
「一体何が…」
口元に手をあて考え込むが答えは特に浮かばず、溜息を一つ。ふと、反対側の廊下から聞こえてきた足音に視線を向ける。
「…誰だ、お前」
赤い花飾りの付いた茶色のキャスケット帽とは正反対の印象をうける銀髪、長さ的には亜風炉照美と同じといったところだろうか。
全くの部外者であるのは間違いないだろう、しかし気掛かりなのは奴が着ているのが帝国学園制服である事だ、…あんな印象に残りそうな奴に出会ったら忘れるはずはない。
まぁ、放っておいて問題ないだろう、そう思ったはずが奴は見事に私の前で立ち止まった。視線が交わる、奴が笑みを浮かべる。
「みーおーちゃん」
何故私の名前を知っている。
「……誰だ貴様」
「あぁ、澪ちゃんとは俺の事知らねェもんな。俺は西園寺新、真帝国学園だぜェー」
西園寺新、初めて聞く名前だ、私の記憶にはない。
「…真帝国学園?」
「そう、そこに俺とあきおちゃん…って言ってもまだわかんねェよな」
あきお?また知らない名前が出てきた、真帝国学園というからには帝国学園と何か関係はあるように思えるが…なんだこの男。
なにか、いやだ。
「私に何か用か」
「長話しになるのもアレだし
さっさと本題に行こうか。澪ちゃんにも真帝国学園に来てもらおうと思ってなァー」
「私が?行くわけがないだろう」
「いいのかァ?…澪ちゃんの嫁…、佐久間ちゃんもいるぜェー?」
佐久間、が?
どういう事だ、佐久間がそんな得体も知れない真帝国に何か入るわけが、
「私の嫁がそんな所に入るわけがあるかってか?」
「っ!」
「澪ちゃんわかりやすー!な?嫁の佐久間ちゃんが大好きな澪ちゃん?…来るよな?」
佐久間がいる、それを聞いて私が断れるわけがない。奴は、西園寺新はそれを確信している。
「…行かせてもらう」
「はははっ!さすが澪ちゃんだ!俺の予想通りの答えをありがとなァー」
楽しそうに笑みを浮かべる西園寺新を一睨みをし、決意をする。佐久間は私が守る、貴様の好きに何かさせるものか。
君は、(本当にからかいがいがある)
category:うちのこ
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