さくみお 0513

「覚悟は出来ている」

本日はバレンタインデー、女子にとっても男子にとっも大事な大事な一大イベントとも言えるだろう。
それは俺も同じ、幼馴染である澪からチョコを貰えるからだ。

しかし問題はここにある、何せ澪は料理が下手…、いや個性的と言っておこう。
台所を爆発させたりマカロンが何故か黒い固まりになる程個性的なんだ
いや大丈夫だ、澪の手料理には慣れている、問題なく食べられるはずだ。

「佐久間!」

名前を呼ばれたかと思うと同時に走ってきた澪が佐久間の腹部めがけてラッピングされた箱を突き出した。

「受け取れ!」
「ありがとな、澪」

相変わらずの澪の様子に佐久間は笑みを浮かべながら箱を手に取る。
あぁ、澪から貰えた。
そう意識すると自然とにやけてしまうのは仕方ない事だろう。

「…なんだその目は、嫁のくせに」
「いや、なんでも」
「今年は、今年こそはうまく作れたんだからな!覚悟しておけ!」
「真っ黒いマカロンは?」
「あれは黒歴史だ、一番の黒歴史だ」
「何だそれ」
「うるさい!マカロンの事は忘れろ…!」

自分の失敗した料理の事を思い返されて恥ずかしいのか頬を少し赤く染めながら怒る澪が可愛くて佐久間は幸せだなと笑った。



少し不器用なところが伺える包装をといていくと箱の中に可愛らしいペンギンの形をしたチョコがいくつも入っていた事はまた別のお話。



Happy Valentine's Day
(可愛くてなかなか食べれないんだけどこれ食べていいのか…?!それとも食べるなという澪からの挑戦状か…!?)



category:稲妻
タグ: さくみお


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