風蓮 0514
「98、99…」
「蓮、やっぱりここにいたのか」
暗くなっているのにも関わらずリフティングを行っていた蓮に風丸は声をかけた。
「風丸!」
「蓮の事だから一人で練習してるんだろうと思ったよ」
上空へと高く蹴りあげたボールを受けとめた蓮は風丸に向けて笑った。
「みんなの姿を見てたら何だか落ち着かなくて」
「俺もだよ、ちょっと座って話さないか?」
「うん、いいよー」
近くにあるベンチに腰を下ろす、緩やかな夜風が二人の髪をなびかせる。
「明日は遂に決勝か」
「何だか不思議だよねー、陸上部だった風丸と今ここにいるって」
「確かにそうだよな、俺も思い返すと不思議だよ」
「本当、いろいろあったよね」
風丸がサッカー部の助っ人に行くという事から同じ助っ人として入ったサッカー部、こんなにも楽しいものだとは思いもしていなかった。
「風丸はダークエンペラーズ何かにも入っちゃうし…」
少し口を尖らせじとっ、とした目線を風丸に向ける。
「あの時の事は本当悪いと思っているよ…」
ダークエンペラーズ時の自分の事を思い出したのか申し訳なさそうな表情を浮かべた風丸に蓮は笑いながら肩を叩いた。
「いいっていいって、風丸にも考えることがあったんだしね」
風丸の事を全然理解出来なかったのはあたしだし、きっかけというのはいけないかも知れないけど、風丸の知らなかった一面を知ることが出来たのは事実だと思う。
「あたしは応援しか出来ないけど、頑張ってね風丸」
「あぁ!蓮の応援があれば負ける気はしないな」
目で合図をし笑いあった後に小さくハイタッチをかわした。
決勝戦前夜、君となら(負ける気はしない)
category:稲妻
タグ:
風蓮