ヒロかな 0514
決勝戦前夜、奏と話がしておきたくて声をかけてみるといい返事が返ってきた、断られるかもしれないと思っていた反面、嬉しい。
「どうしたのよ、ヒロト」
「ちょっと奏の顔が見たくて」
いつもならここで奏による照れ隠しの一撃がくるはず!と予想していたけどそれは見事にあたらず、奏は不思議そうな表情を浮かべていた。
「…もしかして緊張してる?」
「まぁ、それなりにね」
「ヒロトが緊張してるなんて珍しい」
エイリア学園関係の時でも緊張なんてしてなさそうだったのに、と呟いた奏の声が耳に入る
あの時とは違う、今回は決勝の舞台に立つ選手としての緊張だ。
ゆっくりと一息ついてから奏を見る。
「奏には感謝してるよ」
「…何が?」
「俺の傍にいてくれて」
「そ、それは!」
動揺を隠しきれていない奏に笑みが浮かぶ、本当に可愛い。
「それは?」
「…ヒロトが、私に居場所をくれたからであって…、ああもう!」
ぽすん、と胸元に奏の頭があたり俺の服を強く握る、俺の胸元に奏が飛び込んできた現状、何これ夢じゃないよね?
「最後まで見守ってるから…!が、んばって…」
言葉で返す代わりに奏の身体をゆっくりと抱き締めた。
決勝戦前夜、君と(負ける気はしない)
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