馬岱→華月 0514
例えばこの感情が恋なのかと問われると、間違いなくそうだろう。
だけどそれを本人に伝えるのかと問われると、否定することになるだろう。
お嬢が好きで愛しいと思う俺がいて、若もお嬢が好きなのはわかっている俺がいる。
俺は若には適わないから、お嬢に抱いている感情をお嬢に面と向かって打ち明けることは多分ないだろう、これから先もずっと。
そんな事を木陰で一人昼寝をしているお嬢を前にぐるぐると考えているわけである。
「お嬢ー、風邪ひくよー?」
心地よい天気である事は間違いないが風もまだ冷たい現状だ、こんな処にお嬢を放っておけるわけはないわけで揺すってでも起こそうとお嬢に伸ばした手を止める。
「……お嬢、寝てる…よね?」
お嬢の顔の前で右手を振ってみるが規則正しい寝息が聞こえてくるだけで起きる様子はないとみえる。
「…お嬢、一回しか俺は伝えないよ」
大きく深呼吸をし、心を落ち着かせお嬢を見る。聞こえてないとわかっていて言うなんて我ながらなんてズルいとはわかっている、そうでもしないと俺はお嬢と向き合う自信がないんだ。
今だけは、許してほしい。
「愛してるよ、華月」
どうか彼女によい夢を(幸せになってね、お嬢)
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