主が持つ電子機器で見せて貰った記事が一つ。何やら面白いものがある、という反応で主は見ていたがその中で気になるものがあった。
ぐつぐつと煮え立つ具材を掻き混ぜ、味見をする。その横でお椀を並べ完成を待つ茜に視線を移す。
「ねぇ、茜。聞きたい事があるんだけどさ」
「ん?なんじゃ?」
柄にもなく、息を止めて一度深呼吸。
そんなに緊張するようなものでもない筈なのに。
「僕に毎日、味噌汁を作らせてくれる?」
嗚呼、言ってしまった。ごくりと、唾を飲み込む。
ぱちくりと、大きな瞳が瞬きをした。
「勿論じゃ!燭台切が作るお味噌汁なら大歓迎じゃよ!」
返ってきた真っ直ぐな言葉。嬉しさに笑みが浮かびそうになるのを堪え、何事も無かったかのように目線を逸らす。
「そう…、うん、そっか。そうなんだ」
「寧ろウチに毎日作ってくれるのか!?」
「茜が望むならいいかなって、思うようになってね」
「しょ…、燭台切ー!お主は!お主は本当にー!」
ぎゅっと音がなりそうな程、空いていた腕を抱きしめられる。けど、今は振りほどくようなことはしない。告げた質問の真意をきっと茜は知らない、だけど何だろう。心が満たされる。もう片手が塞ってさえいなければその小さな頭をめいいっぱい撫でる事が出来たのに、なんて。
