曰く彼女は惑星の花嫁
「冷たくてごめんね」少し困ったように下げられた眉が悲しそうな笑顔を作る。掌の上に重ねられた小さな手は女の子とは言え、人として変わらない筈なのに。
お人形なの、と告げた彼女の言葉に現実味が増していく。本当にそうなのかと、今の今まで俄かに信じられなかった。
「作之助の手、あったかいのに冷たくしちゃうね」
握り過ぎてしまわぬよう小さな手をゆっくりと包み込む。そうしても温もりは得られることはなく、冷たさだけが手に伝わる。
「お司書はん、ほんまに…」
「うん、人じゃないの。アルケミストとして作られたお人形なの」
初めて触れたりくの手はひんやりと冷たく、まるで人形そのものを表しているような無機質さ。
どうすればこの手に温もりを与えられるのか、何が足りていないのか、何か出来ることはないのか。文豪として、もう一度この世に生を与えてくれた彼女に何か返せるものはないのか。些細な事でいい、少しでも彼女が生きやすい道を築いてあげたい。そう思うしかなかった。