君と或る夢

生まれてきてくれてありがとう。
一体、何処でそんな言葉を覚えたのか。真っ直ぐと視線を射抜く、黄金の瞳に囚われる。逸らすことも出来ないまま彼女の小さな手を取り、ゆっくりと指を絡める。少し熱を帯びているようにも感じる掌は、彼女が生きている証。此処に存在している証。そんな些細な事ですら、恋しく思えてしまう程になっていた。瞳の奥がチリチリと燃えるように痛む。嬉しい、恋しい、愛おしい、混ざり合った感情が胸いっぱいに広がる。苦しい、苦しい。全部吐き出してしまいたい。彼女が受け止めてくれるかなんてわからないというのに。
「…痛いの?」
ゆらゆらと黄金が揺らぐ。頬にひんやりとした感触が伝う。感情の儘に溢れでた涙は止まる術を持ち合わせていなかった。嗚呼、何て情けない。絡めていた指を解き、その小さな肩に手を回す。少しの力で抱き寄せると、すっぽりと包み込まれるようにりくの身体が倒れ込む。その肩口に顔を埋め、掻き抱くように手を添えた小さな頭をゆっくりと撫でる。つくづく、甘やかされている。受け入れて貰える事が、こんなに嬉しいのだから。背中に回された手に、また涙が溢れた。

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