やがて空は墜ちる
文学は不思議なもの。書き手を知ると、より一層その世界観に引き込まれるような気がする。場所が変われば一度身を守る武器へと変化するその本の頁を一枚一枚捲る。読み始めると止め時がわからなくなってしまう程、言葉は魅力的に脳裏へ直接的訴えかける。もう一枚、捲ろうとした途端手元にあった本は消えて、私の上高くに行ってしまった。有無も言わず、取り上げられた。「お司書はん、もうええ時間やで?今日はここまでにしときや」
「寝なくても大丈夫だよ」
「そうは言うけど、寝る時間やで」
あくまでも人は寝ることを全面的に押し出される。お人形だというのに。
持ち主の元へ帰っていった本に名残惜しさを感じる。もっと読めば、作者自身である作之助の事がわかるかもしれないと思うのに読書はいつも途中で中断される。なかなか読み進ませて貰えない。そこは少し不満だ。
「もっと読みたい、作之助の事知りたい」
「ぐっ…、あかん!そんなワシが喜ぶような事言うてもあかんで!」
「作之助、お願い?」
「可愛くおねだりしてもあかん…!」
「むう。わかった、寝るよ」
実力行使に出て見たけど残念ながら折れてはくれないよう。仕方ない、今日はここで終わりにしておこう。作之助にこれ以上迷惑掛けたくはないし。寝る事は出来ないけど「目だけでも瞑っとき」と、教えてもらった。そうすれば人は体が休まるらしい。作られた身にとってそれが効果があるかわからないけど、作之助が言うのならしても良いかな、そう思えるのは良い事なのかもしれない。