縁のない話

当の本人は隠しているつもりかも知れないが、鈴音が可愛いものが好きなのは目に見えてわかる。買い物に訪れた先で入った雑貨屋。アクセサリーを手に取り見比べる横顔は、目が輝いている。そこがまた可愛い、思わず緩む口角を見られないよう、あくまでも冷静を保ちつつ、視線をアクセサリーから鈴音の手元へ移す。真っ先に目に入ったのは指輪。誠に勝手ながら、自分には縁のない話だと思っていた代物を、その指に通して欲しいと思ってしまった。
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