玉砕ワンダーランド

(A5!パロ)

万里の幼馴染が友達を連れてくる、という事前情報は聞いていた。偶々接客予定もなく、時間を持て余していたので興味本位でテーブルを覗いた。其処には淡いピンク色のドレスに着飾られた、まだ顔付きも幼く見える少女が、二つに結われた髪を揺らして視線を巡らせていた。慣れていない事は一目でわかる。そのまま観察を続けると、いそいそと席に着き、落ち着かない様子でスマホを取り出した。対応でも調べているんだろうか、何となく気になった脚は其の儘彼女の席へと向かい、隣に腰掛ける。いきなりの相席にぱちくりと大きな瞳を瞬かせた彼女のスマホには、検索履歴ではなく、絶賛やり込んでいて、見覚えのありすぎるゲーム画面が表示されていた。
「それ、編成ミスると積むよ」
開幕の一声がこれとは、仮にもホストとはいえ如何なものか。
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