夢か誠か

(WT×DC)

逃げた先、猛攻により瓦礫が崩れ落ちる。身構えた拳銃も、ここぞというばかりには役に立たない。零は姿を隠しながら逃げるしか無かった。やはり、ボーダー隊員ではないと対処出来ない現実を目の当たりにする。要請をしたものの、ボーダー隊員が到着するまではまだ時間が掛かる。徐々に近付いてくる物に気配を殺しながら、弾数を確認する。どうにかして凌ぎきれないものか、思考を巡らす中、遠方より耳に届く足音。

颯爽と風を切り、走り抜けていったその後ろ姿は、普段とは格好は違えど見間違える筈もない。実体のない様にも見える剣が、両の手から空を切る。途端、拳銃では装甲を貫く事も出来なかった愛する我が国を脅かす化け物、モールモッドと言っただろうか。上空へと飛び上がった彼女を標的に捉えたそのトリオン兵、俊敏な脚は斬撃によりバラバラと斬り落とされ、斬り刻まれた箇所から黒煙を上げ崩れ落ちた。すとん、と軽い着地音の後、黒髪を揺らしながら此方に向かってくる人物。
「安室さん、怪我あらへん!?」
その声、その姿。何時もポアロで目にしている姿その物。頭の中で、現実と非現実が交錯する。スーツの様な服装を身に纏ったのは、正に安室透の中で日常の象徴である亜樹自身だった。
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