絶好の水泳日和と凛なら言い出し方なのを阻止して凛の部屋に入り浸り二時間が経過、太陽は真上に来ようとしている時間帯。非常に暑い、そこまで暑いのは得意ではない私にとっては何食わぬ顔でベットに寝そべりアイスを食べながら快適そうに雑誌を読んでいる凛の神経がわからん、暑くないのかお前は。というか背中を向けたまま私を放置するんじゃない。折角幼馴染が来てやっているというのにだな!
「凛ー…、暑いぞ」
「暑さはどうにも出来ねぇよ、って重っ!」
▽澪の のしかかりが 炸裂 !
読んでいて飽きてしまった雑誌を放り投げ凛の腰あたりにぺっとり、のしかかる。驚いたのであろう凛が眉を寄せこちらを振り返る。
「澪、暑いし重い」
「それは私もだ、暑いぞ」
「わかってて乗るんじゃねぇよ!」
「読んでいた雑誌に飽きたのだ、凛のを見せろ」
「この態勢でか!?」
「見れるから問題ない」
相変わらず眉間に皺を寄せたまま、このまま何を言い返しても私がどかないことを察したであろう凛は再び雑誌に目を向けた。鍛え上げられた筋肉が腕に直接触れる、暑いといっておきながら凛にくっつきたくなってしまった。構って欲しかったのか、それともただくっつきたかったのか。暑さで私の頭もどうにかしてしまったのだろう、いまいち思考が働かない。
食べかけのアイスを口に含む凛の横顔が酷く色っぽくみえたのきっとそのせいだ。熱に浮かされてぼうっとする私の手はアイスを持つ凛の手首を掴んだ。
「どうした?」
「一口くれ」
怒られるだろうか、断られるだろうか。言った後に少しの後悔と羞恥、間接キスなど今更気にする間柄ではあるものの段々と恥ずかしくなってきた。まるでこれだと甘えてるみたいではないか。
なかったことにしようそうしよう、顔を埋めてしまおうと思った時、バッチリ凛と目があってしまう。捉えられた瞳に目を逸らすことは出来ず。あぁ、どうやってこの何ともいえない空気をを回避すればいいのだ!
「口開けろ」
「は?」
「は?じゃねぇよ、くれって言ったの澪だろ」
まさかくれるとは、しかしなんだろう。凛がそういうことを言うとこれといった意識はしていないが妙にやらしく感じてしまうのは…、凛だからだ。ずいずいと口元に差し出されたバニラアイスを一口、口に含む。冷んやりとした感覚が口の中に広がった。溶けかかっていたのもあり口には含みきれなかったアイスが口元を伝いぽたり、凛の上に落ちた。しまった、汚してしまった事で怒られるぞ。
「ばっ!?な、にやってんだ!?」
凛、と名前を呼ぶ前に手際良くテッシュでごしごしと口元を拭われる。力加減が出来ていないのか乱暴な手付きが少し痛い。
「痛いぞ、それに何赤くなってるんだ?」
何だ自分から差し出しておいて今更間接キスにでも動揺したというののだろうか?そっぽを向いてしまった凛の頬をつつく。
「何でもねぇ」
「む、それはそれでつまらないぞ」
何か誤魔化された気がして少し気に食わないがまぁいいか。凛の服に顔を埋めそのまま寝てやろうか、居心地の良すぎるこの場所が悪いんだ。