そのうち来世で会いましょう

旅立つ準備をする為に凛が実家に帰って来た、お陰で顔を合わせる頻度は上がった。こう毎日姿を見る事になると幾分新鮮だと思いつつ、少し先にはそれも無くなるのか。そんな事をぼんやりと思いながら、玄関先の道路に止まる初心者マークのついた赤い車に乗り込んだ。
「お前、いつ免許取ったんだ?」
「ハル誘って取って来たんだよ」
軽やかにカーブを曲がる車は初心者ながらに快適な乗り心地、運転には性格が出ると言うが、凛の性格そのものを表している。窓の外を緩やかに流れる海沿いの景色から、視線をちらりと凛に向ける。様になっている運転姿、まさか凛が車を運転する姿を見る日が来るとは。思っていなかった訳ではない、将来的に当たり前の光景がどうしても想像が出来なかった。未来へ歩き続けている凛の姿を見ていると負けていられない。もう置いて行かれるつもりは微塵もない。
「凛が運転してくれるのなら、私は免許いらないな」
「お前なぁ…、ったく。澪もちゃんと取っとけよ」
「まぁ、その内な」
口ではそう言いながらも凛の口元は微笑んでいた、これは満更でもないのだろう。凛の言う通り、私もいつかは。だが、今は別れまでの間、幼馴染に甘えられるだけ甘えておこう、それぐらいは許される筈だ。

ALICE+