隣を歩きたいの
今日一日の授業も終わり、今から部活!教科書を鞄に詰め準備をしていると見覚えのある赤髪が廊下に見えた。思わず鞄を机の上に放り投げ廊下に飛びだす。
「澪先輩!」
呼び止め成功、高くで二つに結われた髪を揺らしながら澪先輩がこちらを振り返る。綺麗に整った顔が笑顔に変わる。
「おぉ、江ではないか!」
「一年の教室辺りに澪先輩がいるなんて珍しいですね」
「ちょっと用事があってだな、江は今から部室に向かうか?」
「はい!」
「それなら一緒に行こうか!」
足早に教室に駆け込んだ私は投げ出した鞄を持ち澪先輩の隣に並んだ。
少し離れた隣の家、幼馴染のお姉ちゃんの澪先輩。私は小さい頃から澪先輩が大好き。お兄ちゃんが小学校の頃に転校した時も澪先輩はずっと私を気にかけてくれてて、澪先輩もお兄ちゃんがいなくて寂しい筈なのに。一緒にスイミングスクールに乗り込んだりしたのは楽しかったなぁ。
横目でちらり、澪先輩を見る。こうやってまた隣を一緒に歩けるのが嬉しい。今でも、多分変わらないけど小さい頃はお兄ちゃんが少し羨ましかった、だって澪先輩の隣にいるのはいつもお兄ちゃんで。知らず知らずのうちに二人で何処かに行ってしまって置いていかれるような、そんな気持ちになってしまう自分が嫌だった。
今はもう少し、澪先輩の隣を歩けるのがお兄ちゃんじゃなくて私でありますように。
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