右ストレート炸裂
うつらうつら、重い瞼を持ち上げる。外の明るさからしてそれ程時間はたっていない様だ。何か夢を見ていた気がするが思い出せずに引っかかる。何か暖かいとは思ってはいたが上半身を起こすと大きなタオルケットが腹から下に掛けられていた。
誰かが訪れて来たのは一目瞭然だがその人物が浮かばない。思い当たる節といえば江辺りであろうが江は叔母さんと出掛けていて居ないはずだ。そうなると消去法で浮かびあがる人物はただ一人、そんなまさか。そう思いつつもタオルケットを跳ねた除けた私の身体は足早に玄関に向かい飛び出した。見渡しても辺りに人影はない。しん、とした道路に遠くから波打つ音が聞こえるだけ。
「いるわけないか」
今更何を期待していたのか、連絡すら何一つ寄越さなかった凛が帰って来ようが来まいが関係ない事だ。いるかもしれないと思ってしまった事で今になって少し寂しいとか馬鹿らしい。
頭を冷やそう、まだ寝呆けているんだ。かつかつ足音を立てながら家の角を曲がる。
「げっ!?」
見覚えのある赤髪が露骨に気まずそうな顔を浮かべたところで駆け寄った私の拳が幼馴染の顔面をヒットした。
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