君を受信しました

休日に取り付けた約束、待ち焦がれたこの日は眩しいぐらいの晴天夏空のお出かけ日和。電車に乗って数時間、念願叶ってのデートという名目で宗介くんと行ってみたかった向日葵畑に足を運ぶことが出来た。
向日葵が好き、大きくて明るくて見ているこっちが元気をもらえるようなそんな花。その花が辺り一面に咲いているなんて素敵な景色。一目見た瞬間感嘆の声が漏れ、恵の足は自然と向日葵畑に向かった。向日葵の中に足を踏み入れると足取りはどんどん速くなる、無我夢中とはこういうことを言うのかも知れない。背の高い向日葵が恵取り囲む、太陽を追いかけ花を向ける姿は宗介くんを追いかける私に少しだけ似てる、そう思えた。
「そーすけくん!綺麗だね」
水玉模様のスカートを翻し振り返るけどそこに宗介くんの姿は見当たらず、視界にはいくつもの向日葵しか写り込まなかった。宗介くんがいない。
「あれ、そーすけくん…?」
一人で掛けてきてしまった結果、迷ったのかもしれない。彼方此方に視線を向けるけど背の高い宗介くんなのに何処にも見えない。まるで私だけが向日葵に飲み込まれてしまったような、ひとりぼっち。 どうしよう、戻らないと。駆け出そうとしたその時突風が向日葵を揺らした。被っていた麦わら帽子もふわり、風に飲まれて空を舞おうとする。

待って。押さえるのも間に合わず伸ばした手を大きな手が掴んだ。揺れる向日葵の中 、探し求めていた姿が視界を染めた。
「っ、そーすけくん!」
「馬鹿お前、勝手に走って迷子になってんじゃねぇよ」
私の手と一緒に掴んでくれた麦わら帽子をぽすりと被される。向日葵を背に私の前に現れた宗介くんは、やっぱり太陽だ。
「ごめんね。綺麗だったからつい…見つけてくれてありがとう」
「…おう」
行くぞ、差し出された手をしっかりと握りしめる。いつもは宗介くんの迷子防止も兼ねて繋いでる手がこんなにも頼り甲斐がある。沢山の向日葵の中に宗介くんと一緒にいられるなんて、今日はとっても素敵な日になりそう。
ALICE+