うちの寮の女の子たちが、あの転入生、絶対にセバスチャン・サロウのことが好きなのよ!って他の子と話してるのが聞こえた。


普段は僕に関係なさそうなことはあんまり聞こえてこないのに、その言葉だけは他の雑音を通り越して僕の耳にやけにはっきり聞こえて、同時に何かがチクっと胸に刺さった気がした。爆発の時にニーズルの毛でも入り込んだのかも。いきなり服をばたばた叩き出した僕に近くのやつが変な顔するけど、すぐにああウィーズリーかって読書に戻ってった。


それから校内で転入生を見かけると、確かに懐いたパフスケインみたいにセバスチャンの近くをころころしてることが多い気がする。でもセバスチャン・サロウ、あれは片手でおざなりに転がして遊んでやるみたいな感じじゃないか?可哀想に、あれなら僕の方がよっぽど上手に遊んでやるのに。


というわけで、彼女にとってきてもらった材料で作ったバタービールにアモルテンシアをちょっと混ぜ込むことにした。彼女に頼みたいこともあるし調合の相談なんかもしたいから、もっと僕のまわりでころころしていてくれた方が都合がいい。それに僕ならもっとちゃんと構ってあげるもの。散々転入生にあれこれ頼んでおいて最後にありがとう!の一言で終わりだなんて酷いじゃないか。僕はちゃんと魔法薬が完成したら渡しに行ってるし、あいつと違って持ちつ持たれつの関係ってわけ。



愛の妙薬なんて言われてるけどそもそも人の意識を強制的に自分に向けるための薬だし、例の彼から意識を少し離してもらうには丁度いい。入れたのは少しだけど効果覿面で僕にべたべたまとわりつかれても、まあ、彼女なら悪くはないか。というかそもそもこの魔法薬を作ったのは初めてだからちゃんと効くのかもわからない。まあ僕は天才だからたぶん大丈夫だと思う。人体に危険なものは使ってないし。


「味はどう?」
「わ、美味しいよ。すごい、チョコレートの香りもする!でも……、そうだね、ちょっと甘すぎるかも」
「そう?……君は甘いのが好きそうだからちょうどいいかと思ったんだけど」
「うーん、私は好きだけど。でも大々的に売り出すつもりならもう少し控えめのほうがいいんじゃない?」
「……それはそうかも。まって!書き留めておくから」


まずい、転入生っていつもお菓子食べてるよなとは思ってたから誤魔化せたけど。甘く作りすぎた?それともアモルテンシアを入れすぎたのかもしれない。同時に2つのことを試すんじゃなかった!


それにしても改良案もいくつか出てきたし、早速空き教室を見つけに行かなきゃ。こんな時も君が居てくれたら2人で探せて楽なのになあ。ああ、はやく薬が効いて、あの子が僕のこと一番に考えるようにならないかなあ。




※気になる子の中で自分が一番じゃないと気に入らないしれっと倫欠ウィーズリー。