紫原がやきもち
オレの彼女の名前ちんはバスケ部のマネージャー。オレは一年名前ちんは二年でなかなか会えないから同じ部活なのは嬉しいんだけど…
「じゃあ今から15分休憩!」
まさこちんの声に待ってましたと名前ちんに駆け寄る。
「名前ちーん」
「敦、お疲れさま。はいドリンク」
「ありがとー」
バスケは向いてるから、練習は負けるのが嫌だからってだけでやってたけど、名前ちんと一緒にいれるから部活の時間は結構好き。
「名前ちん、」
「敦ごめん、みんなにもドリンク渡してこなきゃ」
「えー」
みんな自分で用意すりゃいいじゃん。名前ちんはオレの彼女なんだけど。…名前ちんがバスケ部のために頑張ってるのは知ってるしそれが仕事だから仕方ないんだけどさぁ。でも、さっきから室ちんといる時間長すぎじゃない?…もー。
・・・
「名前ちん、帰る、よ…」
「ん?あ、うん!じゃあね氷室くん」
「うん、また明日」
はぁあ?なんでまた室ちんと2人で話してるわけ。室ちんとはクラスも一緒なのにさぁ…。
「敦今日もすごかったね」
「…別に。ふつーだし」
「敦…どうかした?」
「………」
「あ、わかった!お腹空いたんでしょう。ほら、まいう棒あるよ!」
「もー!!」
いらいらがピークにきて、名前ちんの肩をつかんで無理矢理キスした。
「んっ…」
ビクッと肩が強ばって、名前ちんがきつく目を閉じてるのに気づいて顔を離した。
「ごめん…」
うつむくオレを見上げて名前ちんは優しく抱きしめてきた。いつもは人前でこーゆーのさせてくんないくせに。
「なにかあった?私頭悪いから話してくれないとわかんないや」
「……名前ちんはさぁ、オレの彼女でしょ」
「うん」
「でもいつも室ちんとばっかいんじゃん。室ちんのこと、好きになっちゃった?」
「敦…」
体を離してオレを見上げるとなんか嬉しそうに笑いだした。は、むかつくんだけど。
「ごめんね、敦が妬いてくれてるのが嬉しいなって」
「子供扱いしないでよ」
「してないよ。氷室くんと最近よく話すのは、私が敦のこと相談してたからなの」
「オレの、相談?」
「うん。最近敦のファン増えてきたから不安で…でもそんなこと敦には言えないし、それで氷室くんに話聞いてもらってたんだ」
「…そうだったんだ。もしかして、名前ちんもやきもち?」
「うん、恥ずかしいから知られたくなかったんだけど」
「名前ちんかわいー」
「わっ、敦!こんなところで抱きつかないで」
「えーさっきのお返しだしー」
「もー」
「ねえ、オレのこと好き?」
「うん、好き」
「オレも名前ちんがだーいすき」
照れ笑いする名前ちんの笑顔がかわいくて、ずっと見ていたくなる。やっぱり名前ちんの隣にいるときが一番あったかくて、居心地よくて、しあわせ。
「さっきはごめんね。優しくするから、もっかいちゅーしていい?」
「…いいよ」