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short novel

ネタや短いお話になります。



2024/04/29

自宅に戻るまでの間、渡海となまえの間に会話はなかった。
只、しっかりと繋がれた手に視線を落とせば、幸福感に満たされそれだけで良かった。

解錠して部屋に入り、そのままベッドルームへと入って行く。ベッドに雪崩込み、渡海が待てないとばかりに噛み付く様な口付けをした。
「…渡海先生、」
「名前で呼べよ、なまえ」
「っ、征司郎…」

リップ音を立てて唇が離れ、潤んだ瞳で見上げると、渡海が声のトーンを落として耳元で囁いた。吐息が耳に掛かり微かに身震いする。
言われた通りにファーストネームを口にすると、渡海が満足気に口端を吊り上げた。
首筋に顔を寄せた渡海は、その白い肌に紅い華を散らせた。くっきりと付いた痕をぺろりと舐め上げ、服の裾から手を侵入させる。ブラのホックを外し、露になった胸を揉み拉いた。
濃厚な口付けとは違って、優しい手付きに目頭が熱くなった。

Lovin' U