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 今は兎たちは、みんなみじかい茶色の着物です。
 野原の草はきらきら光り、あちこちの樺の木は白い花をつけました。
 実に野原はいいにおいでいっぱいです。
 子兎のホモイは、悦んでぴんぴん踊りながら申しました。
 「ふん、いいにおいだなあ。うまいぞ、うまいぞ、鈴蘭なんかまるでパリパリだ」
 風が来たので鈴蘭は、葉や花を互いにぶっつけて、しゃりんしゃりんと鳴りました。
 ホモイはもううれしくて、息もつかずにぴょんぴょん草の上をかけ出しました。
 それからホモイはちょっと立ちどまって、腕を組んでほくほくしながら、
 「まるで僕は川の波の上で芸当をしているようだぞ」と言いました。
 本当にホモイは、いつか小さな流れの岸まで来ておりました。
 そこには冷たい水がこぼんこぼんと音をたて、底の砂がピカピカ光っています。
 ホモイはちょっと頭を曲げて、
 「この川を向こうへ跳び越えてやろうかな。なあに訳ないさ。けれども川の向こう側は、どうも草が悪いからね」とひとりごとを言いました。
 すると不意に流れの上の方から、
 「ブルルル、ピイ、ピイ、ピイ、ピイ、ブルルル、ピイ、ピイ、ピイ、ピイ」とけたたましい声がして、うす黒いもじゃもじゃした鳥のような形のものが、ばたばたばたばたもがきながら、流れて参りました。
 ホモイは急いで岸にかけよって、じっと待ちかまえました。

貝の火
あとがきあいうえお
かきくけこさしすせそたちつてとなにぬねのはひふへほまみむめもやゆよらりるれろわをん
2019/01/08 掲載
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