明日から本気出す!!



目の前に差し出されたコピー用紙に目をやり、「何これ」と呟いた。二宮は眉間に皺を寄せると「おまえのダイエットメニューだ」と呟いた。
いやそれは見たらわかるんだけど。これって笑っていいやつかな?めっちゃ怒られそうだから、絶対笑わないほうがいい。そんなのわかりきってるけど。やっぱ笑わないなんて無理だ。
噴き出してひっくり返って笑うと、二宮は鼻根にまで皺を寄せながら舌打ちをした。
一ヶ月くらい前に「太ったから痩せるまでエッチしない」と宣言してから、再三「おまえはいつになったらダイエットをするんだ」と言われていたのは、嫌味ではなくて普通の催促だったのか。
「かっ……かわいいとこ、あんじゃんっ……」
ソファの座面をバンバン叩いて、笑いすぎて噎せながらそう言うと、二宮の手の中でコピー用紙がくしゃりと歪んだ。私は慌ててどうにか笑いを押し込め、謝りながら二宮が作ってくれたダイエットメニューを受け取って眺めた。
「はー、ほんとストイック。こんなの私にできるわけないじゃん」
二宮と一緒にしないで、と注文をつけると、機嫌を損ねたらしい二宮は「おまえの怠惰を棚に上げるな」といつもよりさらに鋭角な返しを吐き捨てた。
「よく考えてよ。二宮の最終目的は私とエッチすることでしょ?こんなメニューこなしてたら体壊してますますエッチどころじゃなくなっちゃう」
真面目くさった顔でそう言うと、二宮はものすごく嫌そうな顔をして、私の手からダイエットメニューをもぎ取って行った。限界まで堪えようとした笑いも堪えられず、グッと変な音が喉の奥で鳴った。二宮は般若の面でも付けているのかと思うほどの表情をして「覚えておけ」とドスの効いた声で唸った。
あーかわいい。二宮のことを怖いと言うすべての人に教えてあげたい。二宮がこんなに可愛いんだってこと。
二宮がどんなメニューに修正してくるのか、どんな顔で私のことを考えてダイエットメニューを組むのか、そんなことを考えるだけで私は愉快になってまた笑った。



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