嫉妬深さは生まれつき



毎年お互いの誕生日には考えて悩んで想像して、そして相手が一番喜ぶであろうものに精一杯の愛情を込めて贈る。一昨年は時計を、昨年はネクタイピンを貰った。今年は何をくれるのだろうと前日楽しみにしながら眠りについたその翌朝、つまりは自分の誕生日。
目覚めれば一番にノエルの姿が目に入るはずなのに、今日は何故か彼女ではなく、真っ白なふわふわしたものが自分の目の前にあった。あった・というより、いた。その物体はふわふわの身体を揺らしながら自分の身体の上に座っていて、そのままペロリとアレルヤの鼻先を舐める。

「…マルチーズ?!」

瞬間覚醒した頭は、目の前のそれを犬、犬種でいえばマルチーズと認識。思わず飛び起きてその子犬を抱き上げた。警戒することなく尻尾を振る小さなマルチーズは可愛らしくリボンをつけ、首輪についたプレートには《Happy Birthday》の文字が。

「おはようアレルヤ」

クスクスと笑いながら部屋に入ってきたノエルは、驚いて硬直したままのアレルヤを見て満足そうにしている。パジャマ姿のまま犬を抱いて座り込んでいるアレルヤは「この子は…?」と呆然としたままに尋ねる。

「Happy Birthday アレルヤ」

前から飼いたいって言ってたでしょ?と当たり前のように言うノエルに、ああこれが今年の誕生日プレゼントなんだなと悟る。それにしてもノエルにしては大胆なことをしたものだ。まさか生き物をプレゼントに贈ってくるとは。

「ありがとう。それにしても、本当驚いたよ。ノエルにしては大胆な…」
「だってずっと一緒に暮らしたいって言ってたじゃない。家族として迎え入れたいな、て」

勿論だよ!と子犬を抱きしめたまま、近くに歩み寄ってきた彼女にキスを贈る。大事に育てるよ・と言おうとした瞬間、マルチーズがアレルヤの腕から抜け出してノエルの胸へと飛び込んだ。…ちょっと。いくら子犬だからってノエルにベタベタするのはどうかと思うよ。
ちゃんと躾けよう。そう心に決めた、誕生日の朝。



END
(20090227 Happy Birthday Allelujah !!)






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