memo

2023
0925

無題
ずっとやるやると言ってた「透明なまま空を飛ぶ」の独立ページへの移行を完了しました!いや本当に長かったというか、テンプレートお借りしていじり出してから半年近く経ってしまった気がします。その間ずっとわたしが短編を読み返す専用ページと化していました。それはそれで便利でしたが……自分にとって二次創作って「日記」みたいな感じなので、同じ夢主でいろんな形式のお話が生まれがちなんですよね。なので夢主ごとに独立ページがあるっていうのが合うなって感じがします。実は元々このお話は「雫、弾けて」の夢主の成人したあとみたいな設定が心の中にあって、今後は短編で出て来たポケモンとかが出てくるようになるんじゃないかなあ。ポケモンバトルしたいですよね。楽しく書いていこうと思いますのでよろしくお願いします。

追記でネタバレを含むDLC感想を書いてみました。興味がある方、共感とか反感とか(?)あったら是非教えてほしいです。いい話だったので人とと共有したいなあと思って……


 第一に、わたしにとっての碧の仮面は「良い」けど「好きじゃない」という感じでした。
 まず「良い」と思った部分の話をします。SVは本編の時から(ネームドな)人間キャラクターの心情をこれまで以上に丁寧に描きそれをストーリーの軸にしようとしている感じがして、その精神はDLCにも強く現れていたと思います。ストーリー自体は剣盾と違い明確に後編と繋がっていて完結しておらずわかっていないことも多いので多くは語りませんが、スグリとゼイユの関係性、それを二人がどう捉えているか、など、そういった中心となるキャラクターたちの感情がとても明確に、丁寧に、けれど何かを極端に美化するわけでも悪く描くわけでもなくフラットな立ち位置で描かれていて、「わかるなあ」とか「そんなこともあるよなあ」と素直に思えるような話だったな、と思います。自分は弟のいる姉ですが、全く弟の面倒を見ていない姉だったのでゼイユに共感したりあれをみて己の振る舞いを反省したり、という姉側視点で見られたかというとそうではなかったのですが、自分の弟は反抗期にグレて落ち込んでたことがあったので、スグリ君に対しては弟を重ねながら、それでも自分の弟は今は立派に働いてやっているので、まあ思春期にはこういうこともあるよねえ、という気持ちで見ていた感じです。巷では闇落ちショタだとかBSSだとかいう言葉が並びますが、そういうわけではなくて、というかそういうデフォルメされたフィクション分類のキャラクターではなく、「人間」をそのまま描こうとしたんだろうな、と感じました。ゼイユもスグリも人間なので完璧ないい子でもなければ絵に描いたような悪でもなく、またゼイユの行動は決して正当化されないけれどスグリが「理想的な(イノセントな)被害者」というわけでもない。こういう子供の二人が長時間一緒にいる状況って現実でも起こりうるし、そうなったときにいじめが起きるのを避けるのって難しくて、それって大人の目からは気付きずらかったりする(まあでもあの一連の話で「誰が悪いか」って言ったらまあ親かな、とは思いますね……)。いいとか悪いとかじゃなく「そういうことってあるよね」が積み重なった話で、そのリアルさというか表現の丁寧さはすごくクオリティが高いというか、よくできた話だなあと思っていました。後半であの二人がいい方向へ向かうのか、そのまま終わってしまうのかはわかりませんが(流石に前者かなあ、ポケモンだし……)別に後半のストーリーでどうなったとしても、まあスグリ君はなんとかなるでしょう、みたいな楽観的な気持ちでいます。そういうことを思わせてくれる話だったと思います。
 面白いなと思うのは、スグリの「闇落ち」とか言われるところに納得できてない人とかもいて、「テラスタルの成分に欲望を増幅させる効果があるんじゃないか」とかいう説を唱えている人もいるところです。テラスタルとどう関係するのかはさておき、スグリ君がともっこの墓を殴ったときに紫色のモヤが墓に吸い込まれてゆく描写があるので、一定そういう何か(負の感情がなんらかによって増幅されている)があっても特に驚きはないのですが、個人的にはあのゼイユとの関係やオーガポンに対する執着も、またそれが叶わなかったことで「強くなる」に執着してしまうことも、「まあそういうことってあるよね」の範疇だったのでそこに特別説明が必要だとは思わなかったんですよね。これは多分上述のグレた弟が他人からみたら大したことないように見えることで物凄いグレちゃってたので、出来事の衝撃の大きさって客観的に測れるものじゃないからな、と自分が思っていることに由来する気がします。ただそう感じないひとがいることも全然否定しなくて、そういう部分ってきっと個々人の経験が直接関わってるんだろうなと思っています。現実の認識がフィクションの理解に影響を与えているというか……フィクションと現実って簡単に切り離せない、というかフィクションも現実の中にあるもの、と思っているので、それが感じられたような気がしました。

 ……と書くといい話、という感じなのですが、「好きじゃない」の部分も実は上で説明したのが理由になっています。めちゃくちゃ人間の話なんですよね。ポケモンじゃなくて。唯一ストーリーに関わるポケモン、オーガポンは「村に異端者として受け入れられずに山で1匹で生きているポケモン」で、スグリ君はそのオーガポンに自己投影をしている、という状況だったと思います。これって別にポケモンじゃなくても成立する話じゃない?とおもうし、むしろポケモンだから、人間じゃないから「人間たちの暮らす場所に受け入れられない」ってそれはそうじゃん、とか思っちゃうんですよね。かわいそうだと思う気持ちは否定しないけれども。あのオーガポンがかわいそうで助けよう、というの、オーガポンを人間扱いするような描写に感じられて、オーガポン自体がかなり人型で感情豊かなポケモンだったこともあって、ポケモンの話じゃなかったなあ……という感想に落ち着きました。そもそも自分は「ポケモンのいる世界に自分も生きる」がポケモンを遊ぶモチベなので、ストーリーで人間の感情を克明に描かれるのがあまり好みではなく、そういうのってそれこそFFとかでやればいいと思っているので、ちょっと話が濃すぎるなあ、と思ってしまうんですよね。それだけよく描けているということの裏返しでもあるのですが。剣盾で迷走してたホップがちょっとのセリフと手持ちポケモンにウールーいなくなってオーロットとかクイタランとかが入ってるのとかで彼の悩みが表現されてたのとか、ホップを丁寧に描くことはいくらでもできたのに「そこで止めておいた」という感じがして、あのくらいが程よいラインかなあ、と個人的には感じます。そういえばスグリ君もオオタチ使うのやめちゃいましたね……ただ話が良いということは全くもってそうだと思うので、あれが好きな人がたくさんいるのもとてもよく分かります。一方でスグリやゼイユがあまりに人間だったから、彼らが万人に愛されることはないだろうし、その意味で彼らに興味が持てない人が微妙だった、と思う気持ちもわかるんですよね。物語の視点がそもそも主人公にはあまりなくて、基本的にはスグリ視点の物語だった感じもするので。良くも悪くもスグリが好きかどうかで評価が分かれるだろうなあ、というDLCでした。後編も楽しみです。