I need nothing but your words.
「…リーブ、仕事は大丈夫なの?」
「…実は、ケット・シーに《私》のぬいぐるみを着せて置いてきてありまして…」
「…」
こんなことのために使う能力ではないはずだ、とか、そもそもそのぬいぐるみはちゃんと仕事もできるのか、とか、そんなことばがユリアの頭をぐるぐると回ったけれど、結局何も言わずに苦笑した。仕事を投げ出してきたのはユリアもさして変わらなかったので。
「…わたしは、何もなしに投げ出してきちゃったけど…」
「そちらも《私》がなんとかしていますのでお気になさらないでください」
「…インスパイア様様だね…」
ユリアは隣に寝転がる裸の男にそっと擦り寄った。それに気付いて横を向いたリーブに抱きつくと、リーブの右腕は彼女の腰を抱いて、反対側の手は頬を撫でる。俯いたユリアが何を考えているのか、リーブには手にとるようにわかった。
「…何も悩まなくていいので私のことだけを考えてくれたら嬉しいんですけどねえ…」
「…リーブ、やっぱり、」
「傷ついたわけではありません。先ほども言った通り、全て覚悟の上ですし…ですが、嫉妬はしますよ」
「…」
頬に触れる指に力を込めて、ユリアを上向かせると、唇を重ねた。啄むように何度も角度を変えて唇を重ね、薄く開いた唇に舌を入れる。緩く口内を犯して、舌を絡めると、ユリアの舌もそれに応える。暫くそれを堪能して唇を離すと、つ、と銀の糸が二人を繋いだ。
それを見て恥ずかしげに視線を逸らすユリアが愛おしかった。リーブがもう一度触れるだけの口づけを施すと、今度こそその糸は切れて、再びユリアはリーブの胸に頬を寄せた。
「…気持ちが追いついてないんだと…思う」
「ええ、わかっています」
「…ごめん、なさい…」
「謝らないでください。私は…待っていますから」
「…うん。あの、ね」
好きだよ。
ユリアは瞳を閉じて言う。
「…愛しています、ユリア」
ユリアの耳元で、優しい声が囁いた。