1話
あたしのお兄ちゃんはバスケマンだった。
中学の時にMVPも取ったし、3ポイントなんて神がかってた。
お兄ちゃんはあたしの自慢だった。
すべては過去だ。
中学3年。受験の1年。
今は夜中1時。
いわゆる受験生やってます。
"ドタンッバタンッ!"
あぁ…うるさい。
馬鹿兄が帰ってきた。
あたしの兄は今や不良になってしまった。
バスケマンだったのも昔の話。
あの爽やかさも今はない。
ロン毛ってなんだロン毛って。
"ガンッバタンッ!!"
…響く騒音。
喧嘩売ってるとしか思えなくていらいらが募る。
「…うるさいんだけど!」
「あぁ?うっせんだよガキは寝てろ」
「勉強してんだよ勉強。つか、夜中に騒音とか近所迷惑だ馬鹿」
「馬鹿っていうんじゃねぇよ!」
今にも殴られそうな雰囲気のなか、携帯が鳴った。
馬鹿兄のだ。
馬鹿兄はチッと舌打ちをすると、無言のまま扉を強く閉めて家を出て行った。
「……出ていく時もうるさいんだよ馬鹿兄…」
あんな馬鹿兄、大っきらいだ。
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