爆豪くんに
やってしまった。何となく昨日から寒気がすると思ったら。
「風邪引いた…」
線が細くか弱そうに見えるが割とたくましく育っているので、
高校に入って風邪を引いたのは初めてのなまえ。
こういう時何をするかイマイチ分からない。
ひとまず学校に連絡。
あとは。
「勝己くんに連絡は…」
連絡すれば何だかんだとても優しいので心配されるの目に見えている。
心配はあまりかけたくない。
毎日毎日顔をあわせているわけでもないし。
多分すぐ治るはずだし、
言わないでおこう。
なまえはそう思い、スマホを枕元に置く。
「きっと寝れば治るよね!」
と自分に言い聞かせ布団を被った。
(……)
でもなんか、いつもと同じ1人で部屋にいるだけなのに何故か心細い。
(勝己くんに会いたいな…)
いつの間にかなまえは眠りについていた。
さらり、自分髪を誰かが優しく撫でている。
(…?)
誰かいる?そんなわけないのに。
ゆっくりと目を開けると
「へ?あれ、勝己くん…?」
まさか、連絡をしてない彼がここにいるはずがない。
「夢?」
風邪を引くと会いたい人に会える夢を見るのだろうか。
「んなわけあるか!」
そう言って軽く鼻を摘まれる。
「いたた…勝己くん本物だ…あれ…何でいるの?」
家の鍵は確かに他に使うアテもないし合鍵を渡しているから、いること自体は不思議ではないのだけど。
体調が悪いことは言っていないはず。
「全然連絡取れなくて心配になって教室に行ったら今日は体調悪ィから休みって聞いた。」
ふと、枕元のスマホを見ると確かに着信履歴や通知が何件もある。
しかもわざわざ離れた自分のクラスにまで
足を運んでくれたんだ。
そう思うと無性に嬉しい。
「んで俺に連絡よこさねーんだよ…」
あれ、なんだか少し不機嫌そうだ。
「あの…心配かけたくなくて。だって勝己くん今忙しいでしょ?」
「んなこと一々気にすんなバカなまえ。」
やっぱり優しいなあ。そう思うと本音がこぼれてしまう。
「本当はすごくあいたかったです…」
「これからは何かあったらまず最初にちゃんと俺に言え。」
「うん。ありがとう、勝己くん」
自然と2人の距離が縮まり、爆豪の唇がなまえの唇に触れそうになった瞬間
思わず我に返るなまえ。
「だ、だめっっっっっっ!!!!!」
ぼふっ
咄嗟に枕元で顔をガードした。
「…んにすんだテメェ…!!!!!!」
「いや!いや!私風邪を引いてるんでした!!!」
キスなんかしたら風邪を移してしまう。
「俺がンなことくれーで風邪うつされるわけねーだろ!!」
「え?!勝己くんが丈夫でもさすがにダメでは?!?!」
「うっせェ!!オラ、それ退けろ!」
ぽいッ!
いとも簡単に手に持ってた枕を奪われてしまう。
「やーー!!」
思いっきり顔をそらし口元に手を当てるなまえ。
しかし爆豪はこういう時のなまえのあと一押しを心得ていた。
「なまえは俺とキスしたくねェの?」
「したい…けど…」
「大丈夫だから。」
「う…」
「ホラ。こっち見ろ。」
なまえの身体の力が抜ける。
そして今度こそ2人の唇がゆっくり重なった。
しばらくしてゆっくりと2人は離れた。
「勝己くんもう帰っちゃう?」
「帰んねーよ隣にいる」
「は!そう言えばわたし今日ずっとパジャマだし髪ボサボサだし…」
「んなのいつも見とるわ
朝寝起きのなまえの顔はもっとひでェ」
「…そ、そんなぁ…
ていうか明日のデート…」
「部屋で一緒いりゃ充分だろ
いいからもう寝ろ」
「う…ん…おやすみ…勝己くん」
安心したのかなまえは再度眠りにつく。
爆豪はもう一度甘えたがりのくせに意地張りな恋人の頭を撫でたのだった。
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