イシュタルと
「あ、イシュタルちゃん起きた?呼び出していい?」
「はい、唯愛様」
「ごめんね、今ちょっと暇だから絵でも描こうと思ってて」
「まあ、見事な日の出ですわね」
「んまあ、そうなんだけどーイマイチじゃない?」
「そうですか?太陽の光を一日の初めに浴びて、清々しい作品が出来上がるのではないですか?」
「そう思うよ?でもね、何か足りないな……あ!モデル!!」
「はぁ、風景画にモデルですか」
「もともと私は風景画より人物が得意だから細かい事はいいんだよ!あー描きたい描きたい!!あ……イシュタルちゃん……ちょっと、窓の前のベッドに横になって……」
「もう、唯愛様のモデルは後でお給料が発生しなければならない程に拘束されるのですから……。こう、ですか?」
「あーこっち向いてくれるのも嬉しいんだけど、ちょっとだらしなく卑猥でかつ自然な寝方でいいよ。あ、あー…イシュタルちゃん流石、分かってる……動かないでね……あぁ、もう……そうじゃないな、ここが……いや、もう限界だね」
「……え?唯愛、様……?」
「ごめんね、まるで美の象徴を描かせてもらってるみたいで張り切ったんだけど、どうやらもうブランクともともと我流で描いてきた私には限界みたいだね。技術と発想と柔軟さが追いつかないや、えへへ……」
「っ!!……あの、それ……!!」
「ん?捨てるんだよ。こんな情けない絵は誰にも見られたくない」
「私が!私が頂くのは良いでしょう?」
「え?」
「モデルをした私イシュタルへの最大のお礼が完成なら、未完に終わった作品は最低限のマナーとして処分を二人で決めるべきです。ですから、くださいな」
「あ、ありがとう……」
「次は、ちゃんと……」
「うん!分かってるよ、本当にありがとう」
「い、いえ……では、私はこれで……」