キラキラと輝くステージ。
そこにはカルミアの姿。
私の居場所。
『ホープアンドスマイル!カルミアです!これからは私たち4人でがんばります!』
待って…
カルミアは5人だよ、私も居るのに…
「待って!!!」
「なまえ!?」
目を開けるとオッパが心配そうに私を覗き込んでいた。
…え?オッパ?
WZ「大丈夫か?」
あ、そうだ。昨日オッパのところに泊めてもらってたんだった。
まだ真っ暗な部屋を見ると朝は来てないようだ。
「ごめん、起こしちゃったね…。私は大丈夫。」
夢だ、さっきのはただの夢…。
WZ「また悪い夢?」
コクリと頷きおっぱに抱き付く。
昔も学校で虐められて辛い時、こうやっておっぱに抱き締めてもらってた。
それだけで私の心は保たれてた。
でも…もうだめかもしれない…。
「……ねぇ、おっぱ?」
WZ「ん?」
おっぱの胸に顔を埋めたまま、声を掛ける。
私が呼ぶと、いつも優しく「ん?」って返事をして、呆れたように笑ってくれるおっぱ。
「体が壊れるのと、心が壊れるの、どっちが辛いのかな…。」
体はもうボロボロだ。誰が見ても壊れてる。
心ももう壊れる寸前だ。
WZ「…心も……壊れそうなのか?」
「…ん、分かんない……。」
分かんないなんて嘘。
もう今にも壊れそうだよ。何度も壊れそうになる心に、絆創膏を貼って何とか耐えて来たんだ。
私を待ってくれてるHOPEのために、お母さんとの約束のために、それと、おっぱとした約束のために…。
WZ「…壊させたりしない。絶対に。守ってやる、昔みたいに。」
少しの沈黙の後、いつもより低い声でおっぱが言った。
昔はいつもおっぱが守ってくれてたね。
でもね、おっぱ…
「…昔とは違うよ……。」
WZ「何も違わない。俺は、いつだってなまえの味方だ。ただそれだけ。」
「……おっぱ…、、、」
“でもっ”と、出かかった言葉を飲み込んだ。
「……ありがとう。」
WZ「ん。もう寝ろ。まだ夜中だ。」
「…うん。」
暫くすると規則正しいおっぱの寝息が聞こえて来た。
“いつだってなまえの味方だ。ただそれだけ。”
おっぱの言葉が頭にこだまする。
勿論おっぱの言葉が嘘じゃないことは私が1番よくわかってる。
おっぱは絶対に嘘をつく人じゃない。
でもね、おっぱ。
やっぱり私達はあの頃と違うんだよ。
私たち2人の関係はあの頃と全く変わってないかもしれない。
でもね、周りの環境や、私たちそれぞれの立場は変わったんだよ。
私はみょうじなまえって人間より、カルミアのエバとして生きないといけないし、おっぱはイジフンじゃなくて、セブンティーンのウジとして生きなきゃいけないんだよ。
応援してくれるファンを悲しませたり、裏切ったりしちゃだめなの。
私がセブンティーンの宿舎にいることも、私たちが今こうして抱きしめ合って眠ってることも。
例えここに恋愛感情なんてなかったとしても、血が繋がった家族でもない私たちがこうやって抱きしめ合うことはファンにとって裏切り行為なの。
おっぱはこれから輝かしいアイドルの道を素敵な皆さんと一緒に歩いて行く。
どんどんに人気になって、きっと世界的アイドルになるんだ。
それくらいオッパ達はかっこ良かったし、何より皆んなの心がちゃんと繋がってるから。
誰も手の届かない存在になるんだよ。
キラキラ輝くオッパ達の歩いて行く道に、私は居ないんだよ。
私は同じ道を歩けないんだよ。
今日は本当に何年振りかなってくらい、喋ったし笑ったしいっぱい食べた。
本当に幸せな時間だった。
ありがとう、おっぱ。
今日のことは私の宝物だよ。
ギュッともう一度抱きついてから、おっぱを起こさないようにそっと腕から抜けて体を起こした。
枕元にあった時計はまだ朝の4時を回ったところだった。
この時間ならさすがに誰にもバレないよね?
そっと立ち上がるとベッドがギシッと軋む。
誰も起きてませんように。
音を立てずに動くのは私には慣れたもので、ベッドから立ち上がればほとんど音を立てずに部屋から出れた。
リビングに置きっぱなしにしてた私の荷物を取り、いつもカバンに入れてあるギャップを被った。
よし、行こう。
リビングから出ようと踵を返そうとした時だった。
「…帰るの?」
「っ!!!!!」
…びっ、びっくりした……。
心臓止まるかと思った。
「なまえ?聞いてる?」
誰も居ないと思ってたのに、急に背後から声を掛けるのは心臓に悪いって!
そう思いながら振り向くと、そこには少しだけ険しい表情を浮かべたうぉぬさんと、眠そうにしてるジョンハンさんが立っていた。
WN「なまえ?無視すんの?」
「違っ、急に声掛けられて心臓止まるかと思ったんです!」
声を顰めながらも最大限に訴えると、うぉぬさんはごめんごめんと笑い、ジョンハンさんはだから言ったのにと呑気に笑った。
JH「で?エギはこんな時間にどこに行くのかな?」
優しい口調とは裏腹に、怒ったような表情を浮かべてるジョンハンさんから目を逸らす。
「…え、っと…、か、帰ろうかと…。」
WN「何処に?宿舎?」
「いや…、どっか適当に……」
私の言葉にはぁっと深い溜息が聞こえる。
怒っているのか、呆れているのか、私には分からない。
JH「エギや、聞いて。」
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