【01. やっと出来たお友達】

中学2年に上がると同時に、私たち家族はお父さんの母国である韓国に引っ越して来た。

お父さんが韓国人だから、一応読み書きや会話も出来るけど、ゆっくり話してもらわないと理解が出来なかったし、授業についていけなくて、学校が終わってもずっと勉強をしてた。

私だって友達が欲しいけど、一斉に早口で話されると何を話してるか分からなくて、愛想笑いを振り撒いていた。

そのせいで最初は話しかけてくれてたクラスの子たちも、段々と話しかけてくれなくなった。
だから、休み時間やお昼の時間は勉強したり、韓国語の本を読むのが日課だった。

『それじゃあ2人1組になって!』

それは科学の授業で起こった。
2人1組のペアになって実験をすることになったのだが、生憎私にはペアになれるような友達がいない。

どうしようかななんて思っていると、後ろからポンポンと肩を叩かれた。

振り向くと同じクラスのキムさんが立っていた。

『私もペアがいないの。良かったらペアになってもらえない?』

キムさんは背が高くて美人で、私が転校して来た時実は1番最初に目に止まった人だった。
さぞクラスの人気者なんだと思っていたのに、キムさんはいつも1人だった。

クラスの子はあの子はお兄さんがイケメンだからいい気になってるって言ってた。
本当にそうなのかな?って思いながらも自分から話す勇気も無かった。

「わ、私で良ければ!」
『ふふっ!ありがとう!』

私の隣に座るキムさんのあまりの美しさにドキドキしてしまう。

『ペア決まったね!じゃあ説明するよ!』

先生が黒板に書きながら説明をするのを聞き入る。
もし少しでも間違えて爆発なんてしたら大変だ。

先生の言葉を一語一句逃さないように聞いて、出来る限りメモを取る。

『じゃあ始めてください!』

先生の言葉によっしゃっと気合を入れ頬をパチンと叩く。

「よし!」

隣でクスクスと笑う声がしてそっちに目を向けるとキムさんが私を見て微笑んでいた。

「ど、どうかしましたか?変な顔してたかな?」
『ごめんね!違うの!可愛いなって思って。』

か、か、可愛い!?私が!?

『噂に聞いてると思うけど、私兄貴のせいで友達いなくて。なまえちゃんも結構1人で本読んだりしてたから勝手にベルみたいって思って、実はずっと気になってたんだ!』

お兄さんのせいで友達を作らないなんて…。

「勿体無いよ!キムさん本当美人だし、こんな私に話しかけてくれる優しい人なのに!しかも私がベルだなんて!!!心も綺麗すぎる!」
『ふふっ!面白いねなまえちゃん!でもね、私から友達とか要らないやってなってたから、私のせいなんだよね。』

そうなの?
私はてっきりクラスの子が勝手にキムさんの美しさに嫉妬してるだけだと思ってた。

『私に近寄って来る子は私と友達になりたいんじゃなくて、兄貴に近付きたいからなんだよね。』
「え!?私はキムさんとお友達になりたいのに!?」

こんなに綺麗な子とお友達になれたら最高じゃない!なんて本気で思った。

『お友達になってくれる?』
「わ、私で良ければ!!!」

その日から私はキムさん改め、ジヨンと友達になった。




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