ROOM 404 ― 恋愛禁止の家で、秘密と恋が始まる ―
Episode19
『いない時間』
― いつもある存在が、いない時に初めて大きさに気付く。 ―
Day:Friday(共同生活19日目)
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Scene3
『404 HOUSEの朝』
Friday|08:00 AM
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404 HOUSE。
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いつもの朝。
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目覚ましの音。
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部屋のドアが開く音。
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キッチンから聞こえる生活音。
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変わらないはずの朝。
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でも。
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何かが違った。
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キッチン
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スングァンが眠そうな顔でリビングへ入ってくる。
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「おはよう……。」
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返事をしながら、
いつものようにキッチンを見る。
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「……あれ?」
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スングァンが少し首を傾げる。
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いつもなら。
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この時間。
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チアキが早起きしている日は、
キッチンに誰かの分の飲み物が準備されていたり。
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洗濯物を確認していたり。
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小さな家事をしていたり。
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でも今日は。
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静かなキッチン。
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「そういえば……。」
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「今日、チアキいないんだった。」
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その言葉に、
近くにいたスニョンが反応する。
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「国際線だよね?」
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「うん。」
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スニョンは時計を見る。
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「もう出たんだ。」
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「朝4時だからね。」
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朝食準備
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誰かが冷蔵庫を開ける。
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誰かがお皿を出す。
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いつも通りの動き。
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でも。
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少しだけ、
手が止まる瞬間がある。
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「これ、チアキ好きだったよね。」
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スングァンが冷蔵庫の中を見る。
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「……。」
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自分で言ってから、
少し笑う。
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「覚えてるじゃん、俺。」
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スニョンが笑う。
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「もう普通に覚えてるんだよ。」
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最初の頃。
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チアキが何を好きなのか。
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何を食べるのか。
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どんな生活をしているのか。
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誰も知らなかった。
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でも今は。
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何気ない情報が、
自然に残っている。
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リビング
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ウォヌが本を持って入ってくる。
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「おはよう。」
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「おはよう。」
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ウォヌは周りを見る。
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「……静かだね。」
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ジョンハンが笑う。
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「一人いないだけなのにね。」
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その言葉に、
誰も否定しなかった。
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朝食
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テーブルを囲む。
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いつもの人数より、
一つだけ席が空いている。
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誰も特別なことは言わない。
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でも。
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その空いた席が、
少しだけ目に入る。
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「チアキ、今日何時帰ってくるんだろ。」
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スングァンが何気なく言う。
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ミンギュが答える。
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「深夜になると思う。」
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「長いフライトだから。」
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その答えが、
自然に出たことに、
ミンギュ自身が少し驚く。
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まるで。
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帰宅時間を気にしているようだった。
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スタッフカメラ
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朝の404 HOUSE。
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笑い声はある。
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会話もある。
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いつも通り。
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でも。
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カメラは、
一つの変化を映していた。
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「誰かがいない。」
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それだけで、
家の空気は少し変わる。
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【STAFF NOTE】
共同生活19日目。
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人は、
一緒にいる時間だけで相手を知るのではない。
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いない時間。
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その人がいた場所。
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その人がしていたこと。
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その人の存在。
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失って初めて気づくのではなく。
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少し離れた瞬間に、
大きさに気づくことがある。
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404 HOUSEの朝。
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今日は、
いつもより少し静かだった。
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次回 Scene4
『それぞれの一日』
チアキがいない404 HOUSE。
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それぞれの生活の中で、
小さな変化が見えてくる。
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そして、
ミンギュの元に届く一通のメッセージ。
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