ROOM 404 ― 恋愛禁止の家で、秘密と恋が始まる ―
Episode9
『本当の気持ち』
― 普段見えない姿を知り、相手への印象が変わる日 ―
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Scene5
『リビング』
Tuesday|08:45 PM
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404 HOUSE。
夜。
全員が帰宅したわけではない。
それぞれ違う時間に帰ってくる生活。
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リビングには、
スンチョル。
ジョンハン。
ミンギュ。
スングァン。
チアキ。
数人だけがいた。
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テレビはついている。
でも、
誰も真剣には見ていない。
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仕事終わりの静かな時間。
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ミンギュが冷蔵庫から飲み物を出す。
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「スングァンさん、今日仕事どうでした?」
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いつもなら、
待っていましたと言わんばかりに話し始める。
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「聞いてくださいよ!」
「今日、本当に大変だったんです!」
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そんな返事を期待していた。
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しかし。
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「んー。」
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スングァンは少し笑う。
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「普通でした。」
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一瞬。
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ミンギュが少し驚く。
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「普通?」
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「はい。」
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「スングァンさんが普通って言うの珍しいですね。」
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みんなが少し笑う。
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でも、
チアキだけは少し違う表情で見ていた。
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Kitchen
チアキは水を取りに行く。
その途中。
ソファに座るスングァンを見る。
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スマホを見るふりをしている。
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でも、
いつものような明るい表情ではない。
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少し疲れている。
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チアキは少し迷う。
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声をかけていいのか。
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まだ共同生活9日目。
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相手の距離感も完全には分からない。
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でも。
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「スングァンさん。」
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「はい?」
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振り向く。
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「今日、少し静かですね。」
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一瞬。
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スングァンは目を丸くする。
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「え?」
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「……そうですか?」
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「はい。」
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チアキは少し考える。
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「いつもより、笑顔が少ない気がします。」
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数秒。
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スングァンは笑う。
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「えー?」
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「僕、いつもそんなにうるさいですか?」
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「違います。」
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チアキも笑う。
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「そういう意味じゃなくて。」
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「いつも周りを楽しませようとしている感じがするので。」
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「今日は少し疲れているのかなと思いました。」
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スングァンの表情が少し変わる。
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冗談で返そうとしていた。
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でも、
言葉が出なかった。
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「……。」
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「ありがとうございます。」
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小さな声。
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チアキは少し驚く。
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「え?」
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「いや。」
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スングァンは笑う。
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「気付いてくれる人いるんだなって思って。」
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Living Room
少し離れた場所。
ジョンハンがその会話を聞いていた。
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何も言わない。
ただ、
静かに見ている。
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人の変化に気付くこと。
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それはジョンハン自身も得意なことだった。
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だから分かる。
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チアキが、
相手を観察していたのではなく。
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本当に心配して声をかけたこと。
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スングァン
「でも大丈夫ですよ。」
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いつもの明るい笑顔。
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「僕、寝たら復活しますから。」
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「それなら良かったです。」
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チアキは安心したように笑う。
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その瞬間。
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スングァンは少し思った。
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自分はいつも、
誰かを笑わせる側だと思っていた。
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でも、
誰かに気付いてもらうことも、
こんなに嬉しいんだ。
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【Interview】
スングァン
「チアキちゃんって、本当に人をよく見ています。」
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「でも、見ているというより……。」
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少し考える。
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「気にしているんだと思います。」
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「誰かが無理していたら、たぶん自然に分かるんですよね。」
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【Interview】
チアキ
「スングァンさんは、いつも明るいので。」
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「だからこそ、少し違うと気になりました。」
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「でも、余計なことだったかなとも思いました。」
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スタッフ:
「声をかけて良かったと思いますか?」
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チアキは少し笑う。
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「はい。」
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「笑ってくれたので。」
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【STAFF NOTE】
共同生活9日目。
スングァンは、
404 HOUSEの空気を明るくする存在。
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だからこそ、
彼の静かな時間に気付く人は少なかった。
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明るい人ほど、
「大丈夫」と言う。
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でも、
その言葉の奥にある小さな変化を見つける人がいる。
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それは恋ではない。
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ただ、
「この人をちゃんと見たい」
と思う気持ち。
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そして、
その積み重ねが、
いつか特別な感情になるのかもしれない。
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次回 Scene6
『Interview』
テーマ:
「今日、印象が変わった人」
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普段とは違う姿を見たことで、
11人の中で少しずつ変化する印象。
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「もっと知りたい」
その気持ちは、
誰へ向かっているのか。
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