ROOM 404 ― 恋愛禁止の家で、秘密と恋が始まる ―

Episode11

『秘密の扉』

― 知らなかった過去 ―

Thursday

テーマ

人は、見えている部分だけでは分からない。



Scene6

『ソヨンの過去』

Thursday|10:15 PM



SECRET ROOM。



スングァン。

ウォヌ。

スンチョル。



3人の話が終わった。



リビングには、

静かな空気が流れている。



誰かの過去を聞くたびに、

その人を見る目が少しずつ変わっていく。





「次……私が話してもいいですか?」



優しい声。



ソヨンだった。





獣医師として働く彼女。



動物は、

自分の痛みや不調を言葉で伝えることができない。



だからこそ。



小さな変化を見る。



表情。

仕草。

いつもとの違い。





その経験からなのか。



404 HOUSEでも、

誰よりも周りをよく見ている。





誰かの食事が少ないこと。



誰かが疲れていること。



誰かが少し元気がないこと。





すぐに気付く人。





でも。



そんな彼女にも、

誰にも見せていない部分があった。





「私は昔から。」



「人に合わせることが多かったです。」





ソヨンはゆっくり話し始める。





「家でも。」



「学校でも。」



「仕事でも。」





「周りが困らないようにすることを優先していました。」





みんな静かに聞いている。





「動物もそうなんですけど。」



「小さな変化に気付くことって大事なんです。」





「少し元気がない。」



「いつもと違う。」





「そういうサインを見逃したくなくて。」





「人に対しても、同じようになりました。」







「誰かが困っていたら助けたい。」



「誰かが辛そうなら気付きたい。」





「それ自体は悪いことじゃないと思うんです。」





少し笑う。





「でも。」



「いつの間にか。」



「自分のことを見るのを忘れていました。」







ソヨン



「大丈夫です。」



「平気です。」



「何でもできます。」





そう言うことが、

当たり前になっていた。





「本当は嫌なことでも。」



「断ったら相手が困るかなって思ってしまって。」





少し間。





「嫌って言うのが苦手なんです。」





その言葉は、

とても静かだった。



でも、

今までで一番本音だった。





ジウォン



「でも。」



「ソヨンさんが無理してることって。」



「たぶん周りは気付いてないですよね。」





ソヨンは少し驚く。





「……そうですね。」





「自分から言わないので。」







チアキ



ソヨンを見る。





「ソヨンさん。」





「はい。」





「動物の小さな変化に気付ける人だから。」



「人の変化にも気付けるんだと思います。」





「でも。」





少し優しく笑う。





「ソヨンさん自身の変化に気付いてくれる人も必要ですよね。」





ソヨンは一瞬、

言葉を失う。





そして、

小さく頷く。





「……そうですね。」





「そう言われたの、初めてかもしれません。」







ジョンハン



静かに口を開く。





「ソヨンさんは。」



「誰かを助けることに慣れているんだと思います。」





「でも。」



「助ける側の人も。」



「助けてもらっていいと思います。」





ソヨンは少し笑う。





「ありがとうございます。」







【Interview】

ソヨン

「私は。」



「自分が我慢すれば丸く収まると思っていました。」





「でも。」



「自分の気持ちを大切にすることも。」



「相手を大切にすることの一つなのかもしれないと思いました。」







SECRET ROOM



スングァンが少し笑う。





「ソヨンさん。」



「いつも僕たちのこと見てくれているじゃないですか。」





「でも今日初めて。」



「ソヨンさん自身のことを聞いた気がします。」





ソヨンは照れたように笑う。





「そうかもしれません。」







【STAFF NOTE】

四人目に開いた扉。



それは、

「優しい人」の扉。





獣医師として。



言葉を話せない存在の小さな変化を見つけてきた。





だからこそ、

人の痛みにも敏感だった。





でも。



優しい人ほど、

自分の痛みには鈍感になる。





ソヨンは、

傷つかない人ではない。





傷ついても、

誰かを優先してきた人だった。





そして今日。



404 HOUSEのメンバーは知った。





優しい人にも。



支えてほしい瞬間があることを。





次回 Scene7

【Interview】

Thursday|Night



「印象が変わった人」



それぞれが語る。



強そうに見えた人。

明るく見えた人。

優しく見えた人。



その奥にあった、

知らなかった一面について。




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