【05 理想のドール ーMGー】
『ねぇ!何で勃たないの?ほら、私の体を触ってよー!ねぇ、ジョンハナァ。』
「…無理。退けって。」
今日もジョンハニヒョンの不機嫌な声に、俺とホシヒョンとシュアヒョンは顔を見合わせて眉根を下げた。
俺らは19歳になってからクラブへの出入りとドールの所持を許可される。
芸能人、アイドルとは言え性欲は溜まるもので、それを発散させるのが目的だ。
最初は抵抗があったけど、今は何も思わない。
リアコするよりよっぽどマシだと思う。
ドールとは主にクラブのVIPルームか、ホテルでしか会わない。
モデルの卵とか、セクシー女優が多いから、見た目もスタイルもいい。
今日はカムバも終わって久し振りにクラブに来た。
それなのに、ジョンハニヒョンは不機嫌で、ドールにあっち行けと手で合図をする。
「ヤハー!ヒョンも楽しまないと!」
ホシヒョンがシャンパンを飲みながらジョンハニヒョンの、空いたグラスにもシャンパンを注ぐ。
『私たちちょっと踊ってくるねー!』
「ねー。」
踊りに行くと言うドールに手を振り、今VIPルームには男4人。
「お前よくあんな女に勃つよな。」
呆れたようにシャンパン片手に呟くジョンハニヒョン。
「まあ、見た目は綺麗だし、スタイルもいい、そこだけに集中すれば勃つよ。」
ホシヒョンの言う通りだ。
俺らだって、別にドールのことが好きな訳じゃ無い。
愛情なんてないから、愛おしいとも思わない。
ただ、性欲の捌け口になるだけ。
自分の右手か、ドールかの2択だから俺らはドールを選んでるってだけの話。
「ハニはどうしたいの?」
シュアヒョンの問い掛けに、ジョンハニヒョンがもう一口シャンパンをごくりと飲んだ。
「分かんない。でも、毎回ほぼ裸で香水と化粧臭い女に何されてももう無理なんだよ。」
気持ちは分からないでもない。
「もっとこう、ウブで俺色に染まるような子を抱いてみたいんだよ。」
「分かる!みんなそれは思ってるでしょ?」
ホシヒョンの言葉に俺とシュアヒョンも頷く。
そんなの当たり前だけど、無理なんだから…。
「クラブにも友達に無理矢理連れて来られちゃって、バーカウンターで1人で座ってるような子がいい。」
そんな子居るわけ…
…いや、待って居るじゃん。
VIPルームからフロアを一望した俺の目に止まったのは、バーカウンターで友達2人が呑むテキーラに「うわぁ!」って顔で見てる女の子。
セクシーなワンピースを着ては居るけど、どこか落ち着かないでソワソワしてる。
「…ハニ、そんな子居ないから。自分で出来ないならドールに頼るしかないんだよ?」
シュアヒョンはそう言うと、奥にあるベッドルームに消えてしまった。
「お酒も弱い子がいい?」
「…そうだな。ちょっと飲んですぐ赤くなるような子って可愛いじゃん。」
俺の質問に反応してくれたジョンハニヒョン。
ねぇ、ヒョン、俺見つけちゃったかもしれないわ。
カウンターの椅子にちょこんと座って、カクテルを飲んでる子。
ジェシーヒョンと仲良く話してる。
『シャンパンもらって来たー!フルーツも頼んだよー!』
「おー!サンキュー!まあ、ヒョン!とりあえず飲もう!」
ドール達が持って来た高そうなシャンパンを開けるホシヒョンを、ため息混じりに見上げるジョンハニヒョン。
あの子プレゼントしたら喜ぶかな?
でも、一般人だしな…。
もし匂わせとかする子だったら事務所に怒られるし…。
どうしよう。
『あれ?シュアは?』
「ベッド。」
『シュアァー!』
歩きながらなんの恥ずかしげもなく服と下着を脱ぎ捨てベッドルームに行ったドール。
「ああ言うのも無理。もっと恥ずかしそうに、顔赤らめてくれるのがいい。」
「ヒョン、分かる!お前ももっと恥ずかしそうにしろよ!」
ホシヒョンがドールに向かってそう言ってる間にも、ドームはホシヒョンのズボンのチャックを下ろしてる。
…あの子ならきっと顔を真っ赤にしてくれるだろうな。
『失礼します。フルーツ持って来ました。』
ジェシーヒョンがフルーツを持って来た。
「あ、おい!俺よりフルーツかよ!」
『すぐ気持ちよくしてあげるから待ってて!』
ホシヒョンは何だよってぶつぶつ言いながら一度自分のものをしまう。
俺も飲もうっと…。
シャンパンを注ぎグッと一気に飲み干す。
…あ、ナンパ。
ナンパされて困ってるあの子。
そんな光景よく見るし、別にどうってことないんだけど、あんなに嫌がってるのは見たことない。
…どうする?
きっとあの子このままじゃ襲われちゃう。
ここに連れて来ていいのかな?
ヒョンにプレゼントしたいな…。
フロアに一度出た後、再びバーカウンターに行き、何やら話した後、不機嫌そうに彼女はテキーラを飲み干す。
…いや、だめでしょ。
ライトが点滅するたびに、彼女の目がトロンとしてるのが分かる。
曲が変わったと同時にフロアからソファー席へと移動する。
あー、もう完全に襲われちゃうじゃん。
…よし、あの子ヒョンへの誕生日プレゼントにしよ!
「ちょっと下行ってくる。」
「え!?は!?おい!ミンギュ!」
ホシヒョンの制止を張り切り、彼女が連れて行かれたソファーのカーテンを開ける。
そこには泣きながらやめてと愛玩してる彼女がいた。
「はい、ストーップ。」
俺の言葉に不機嫌そうに顔を上げるナンパ男。
彼女はゆっくりと俺を見つめる。
「…助け…て…」
そんな顔で男を見ちゃだめだよ。
「うん、勿論。君はヒョンへの誕生日プレゼントに決めたからね。」
ナンパ男をちょっと脅すと、慌てたようにフロアに逃げていった。
→
ノベルに戻る I
Addict