「―――本丸に帰れない?」


ざわざわと騒がしい政府のゲート前。
普段はそこそこ閑散としているはずのそこには、会議終わりの多くの審神者でごった返している。
いわく、ゲートの不調だとかなんとか。復旧の目処は立っておらず、早くとも明日の朝になるらしい。
あちらこちらから聞こえてくる話し声や怒声に視線を向けつつ、僕は目の前の担当官である弟分へと声を投げかけた。


「あらまぁ。じゃあこの騒ぎはそれかい」
「ええ…まあ、これでもいったん落ち着いたほうですよ。一応16時頃にその辺りの情報が審神者の携帯端末に一斉送信されたんですが。見てないんですか、シア?」
「えっまじで?僕めっちゃ出遅れてるね?」


ユウマに言われて端末を確認すると、おやおや確かに。
普通に政府施設周囲の喫茶店でお茶してたから全然気づかなかったや…。


「……これ、待ってたら夜中とか朝方とかにゲート復旧したりしない?」
「多分無理です。まあ…多くの本丸に審神者不在の今の状況は政府的にもあまりよろしくないので、出来るだけ早い復旧を目指しているようですが。技術部とゲート管理部門が悲鳴を上げてました。あれは徹夜ですね」
「政府職員ちゃんと休みとってね…」


いつも目の下にクマさんを飼っている技術部の人たちを思い出して遠い目をする。
あの人たち僕が部署の前通りがかるといつも同じ顔ぶれがいるんだけど、…本当お休みとってね…大事だよ…。


「通話は?通じる?」
「ええ、その辺りは問題なく各本丸へ通じることが確認されてます。なので本当…ゲートの不調だけなんですよ問題は…」
「ユウマ…気をしっかり持って…!!」


ふふふ…とハイライトを失った目で笑うユウマ。うっわ笑顔怖。
まだ対応に追われてるので…と