2
「夏乃、夏乃!」と拝殿前にいる私の後ろから名前を呼ぶ聞きなれた声。小さなため息とともに合わせていた手を下ろし、私はその声のするほうへと振り向いた。
「朝っぱらから神様が何やってんですか、もう…」
「なにおう?金は大事だぞ?」
「んなことわかってますってんですよスサノオ様」
「様なんて余所余所しいぞ夏乃ー!あと敬語ー!!」
「おおう…」
まだ寒さの残る早朝の境内のど真ん中で、古代人の格好をした男性が笑う。
戻る