＠好き嫌いは許しません
「名前ー、ハラ減った」
「……花礫君、夜ご飯食べてましたよね？」
「育ち盛りなんだよ。軽く摘まめるモンでいいからさ」
「……もう。何が食べたいんです？」
「肉」
「ちょっと待った。軽く摘まむレベルじゃないですよねそれ」
「肉がいい」
「……野菜もしっかり食べるなら」
「言い方変えるわ。肉だけでいい」
「変わっとらんわ。ダメです、野菜もちゃんと食べなさい」
「ヤダ」
「食べなさい」
「ぜってえヤダ」
「食べろコルァ」
「あんな草のどこが美味いんだよ」
「草じゃありません。立派な栄養源です」
「ンなもん與儀にでも食わせとけ」
「オートミール口に突っ込まれるのと大人しく野菜食べるのとどっちがいい」
「ぐっ……、テメ……ッ！」
「ん？」
「……わぁったよ。食えば良いんだろ食えば！」
「よろしい」


＠変態がいます
「わあ名前さん奇遇ですね、こんな所で会うなんて！　やっぱり僕らは赤い糸か何かで繋がってるのかな」
「相変わらずですね、喰君」
「寧ろ悪化してる気がするわよ」
「そろそろ名前さんの作ったご飯が恋しいなぁって思ってた所だったんです。さあ、今すぐ、僕だけの為に、その手料理を振る舞って貰えませんか？　無論これから先もずっと」
「お給料を渡してくれるなら喜んで働きますよ」
「幾ら積めば裸エプロンで出迎えもしてくれます？」
「冠の煌！」
▽じきの きゅうしょ に あたった！


＠なんか居たたまれない
「ちょっとアイツどうにかなんないの？」
「アイツって？」
「喰よ喰！　この前だってあたしの名前に幾ら積めば裸エプロンで出迎えしてくれます？　なんてフザけたこと吐かしやがったんだから」
「……ほう……」
「更にその前なんかご飯にします？　お風呂にします？　それとも私丸ごと？　なぁんてセリフを名前に言わせようとしてたのよ」
「俺の嫁に手を出すとはなかなか良い度胸してるじゃないか」
「平門じゃないわあたしの嫁よ。そもそもあのご飯はあたしとツクモだけの為のものよ」
「ハ、それは少し違うな。名前のあの料理は俺の（出すお金の）為だけに振る舞われているんだ」
「……」
「……」
「……」
「…………何か言ってくれ」


＠何だかんだで
「朔と一緒にいるのが一番落ち着きます」
「おっ、嬉しいこと言ってくれるな。何ならいつでも壱組に来てくれたって良いんだぜ？」
「それとこれとは話が別ですけどね。でも気軽に何でも話せるし、心地良いのは本当ですよ」
「……なぁ、名前。俺は冗談なんかで言ってるつもりは……」
「ダメーーッッ！！！　だめだめだめ！　料理長はダメ！！」
「料理長こっち！　早く！」
「んだよお前ら邪魔すんなよ」
「ハッ、残念だったな。名前は貳號艇に残るってよザマァみやがれ」
「ってめ花礫……っ！！」
「はいはい皆そこまで。まわれー右！」
「だって！　朔さんてば隙あらば料理長を引き抜こうとするから！！」
「お前らばっか狡ぃんだよ、俺にも食わせろ情けを掛けろ！！」
「朔大人げないですよ」
「食わせてくださいお願いします」
「また今度ね」
「そら見ろ！！！」