@ショーには出ないの?
「……ねーえ名前? あんたやっぱりショーにも出てみなさいよ。こんな薄暗い厨房でただ料理作ってるなんて勿体ないわ。宝の持ち腐れよ!」
「料理を作るのが本業ですし……目立つのはあまり好みませんから。それよりもショーで頑張ってきた皆さんを出迎えるのも私の役目かつ、楽しみなんです」
「確かに名前におかえりなさいって言われると疲れも吹っ飛ぶけどぉ〜……、たまには一緒にパーッとはしゃぎたいわ」
「それはお酒の席ではダメです?」
「だってお酒弱いじゃない。飲んでもカルーアかカクテルでしょ? 羽目を外すほど飲めやしないクセに」
「そう言われると……ぐうの音も出ません」
「むぅ。じゃあ良いわ。ショーは諦める。でも1つだけお願い聞いてくれるかしら? 聞いてくれるわよね?」
「と、いうか。出演を断る事を分かっててその流れに持って行きましたよね」
「聞こえな〜い」
「じゃあ丁重にお断りしても」
「それは却下」
「聞こえてますよね? あっコラ、今ごろ耳を塞がない!」


@歳下の子のお願いには弱いんです
「あの……イヴァ? そろそろ夕食の下拵えをしたいんですけど……」
「それは事情を話して給仕の子たちに話を通しておいたわ。安心してちょうだい」
「(話を通し……事情? 何の!?)」
「せっかく名前を着せ替えられる機会を得たんだもの、この際だから私が満足するまでとことん付き合ってもらうわよ!」
「(厨房にかえりたい)」
「イヴァ、……これはどう?」
「……うん、さっすがツクモ。センスが良いわね」
「クラシカルワンピースも素敵だけど、レースをふんだんに使ったロリータ調も有りだと思うの」
「いやっ、ロリータは年齢的に厳し」
「ならメイド服もアリかしら」
「!?」

▽ 名前 は 背筋 が こおった !

「てことで、名前。次これね」
「……はい……(あ、でもこれはまだマシかな……? 何だかんだ私の意見も取り入れてくれてるんですね)」
「次はロリータにしましょ」
「(よし、トンズラしよう)」
「ああ、そうそう。その衣装はコルセット締めるから、着ているベビードール脱いでちょうだいねー」
「えっ」
「? なにか不都合でもあるの?」
「(さすがにパンイチでは逃げられない……わね……)いえ……」
「料理長」
「ツクモちゃん?」
「料理長に似合うものをと思って精いっぱい選んだのだけれど……やっぱり、料理長はこんな衣装は嫌…?(しゅん)」
「…………ぐっ」
「ごめんなさい、直ぐに別のものを──」
「着ます! 着るからそれも寄越しなさいツクモ!」
「! はいっ」


@見られても構いやしないけど
「やっぱり私の目に狂いは無かった」
「(花礫君に会ったら若作り乙って言われそう)」
「料理長……可愛い……」
「(これぞファッションロリババア……?)」
「さぁて、撮った写真はどいつに高値で売りつけてやろうかしら……」
「商売目的?!」
「冗談よ、ジョーダン。どんな用途で使うとも知れない野郎どもになんか渡さないわよ」
「……本当かしらね……」
「あら、名前に嘘なんて吐かないわ。さっ、まだまだ着てほしい衣装あるんだから着替えて着替えて!」
「はいはい……。ツクモちゃん、背中のチャック下ろしてもらっても?」
「あ、はい」
「ん。ありがとうございます」
「──失礼しまーす。名前さん此処にいるって聞いたんですけど……って、あ。」
「あ。」
「げ。」
「……ワオ。名前さんってば意外と胸あっ」

ズゴォッ!!!

「……あぁ〜〜ら、ごめんあそばせ喰サマ。そこに虫が見えたものだからつい足が出ちゃったわ」
「なんっで手じゃなくて、真っ先に足が出るんだよ……!!?」
「喰君……ノックもしないで入ってくるなんて不躾よ」
「えっ、いや、ノックしなかったか、な〜〜なんて…」
「してないわ、よっ!!」
「ヒールで鳩尾狙うのはやめてくれ!!」
「……イヴァ、そろそろその辺で……」
「お前ら騒がしいなー。何やって……あ。」
「あ。」
「……名前、お前、隠れ巨にゅ」

ゴスッ!!!

「……平門? 朔が……」
「名前……安心しておけ。こいつは俺が責任を持って始末する」
「既に杖で殴っといてそりゃねーぜ……」
「左胸を貫けば良かったか?」
「すまんかった」


@ラッキースケベ王を冠するのは
「そう言いつつガン見してんのは平門だろ」
「そうですよ平門さんが一番見てます視姦されてますよ名字さん」
「ベビードール着ましたからご心配なく」
「いや。逆にエロい」
「ベビードールにガーターベルトの組み合わせは非常にけしからん」
「あんたら纏めてシメても宜しくて?」
「名前さん、これ上に羽織ったほうが」
「あ、ありがとうツクモちゃん」
「ああっ、もったいな……」
「喰」
「…冗談ですから殺気立たないでくださいよ平門さん」
「独占欲の強い男はやだねー。まだ付き合ってもいねーのに……どわっ?!」
「チッ」
「あからさまに外したって顔すんなっ。今のスレスレだったぞ!」
「当てるつもりで投げたからな」
「どうせなら喰に当たれば良かったのに」
「イヴァさんは僕になんの恨みがあるんですか」
「以前に私の着替えを覗いた分かしら」
「前科犯……?」
「!? 違いますよ名前さん! アレはいわば事故ってやつで、キイッちゃん達の男装の確認を取るために部屋に入ったらイヴァさんがまだ着替えてたってだけで、別に覗く意図で部屋に入った訳じゃ無、あいだだだた」
「ちょぉーっとこっちにいらっしゃい」
「せっかく名前さんの脚を眺めていられたのにっ!!」
「ふんっ(ゴスッ)」
「ぐぅっ」
「喰……口は災いの元だぞ」
「その言葉、自分にもしっかり言い聞かせておくんだな朔」
「すまんかった」


@プラスαの男たち
「んで? なんで着せ替えられてたんだ?」
「イヴァからショーの出演を誘われまして……でも私には分を過ぎたものですし、本業を疎かにする訳にはいかないと思って断ったんです」
「で。代わりに着せ替え人形になれと」
「その通り」
「でも、イヴァ本当に楽しそうだったわ。私もこんな機会は滅多に無いから浮かれちゃって……」
「……二人が楽しかったなら何よりです」
「そりゃお疲れさんだったなぁ名前」
「それより朔は何故ここに?」
「タイムリーなことにな、次のショーに関する打ち合わせを平門としてたんだよ。んで、帰るとこにギャーギャー騒いでる声が聞こえたから好奇心で寄ってみた」
「子供か」
「なんとでも言え。名前の乳を見れたから俺は満ぞ……平門やめろ構えるな」
「次言ったらその記憶飛ばしてやる」
「悪いな名前、ツクモ。俺、生命の危機を感じるからそろそろ帰るわ」
「そうしたほうが良さげですね」
「気を付けて」
「……おう。引き止められねえのも切ねえな……」
「さっさと行け」
「へーへー。あ、喰の記憶は」
「俺がどうとでもする」
「任せた」
「ツクモちゃん耳を塞いで。こんな会話聞いちゃいけません」
「もう遅いです料理長……」


・ただ朔さんに「乳」と言わせたいが為のSSかっこわらい。前サイトの拍手で募集していたネタリクエスト欄にまだ書いてなかったものが幾つかあったので、こっちでボチボチ消化していきます。ラッキースケベ+αもその一つ。このあと料理長は「着替える時は鍵を閉めなさい」と平門さんにくどくどお説教されます。
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