@颯爽登場!銀河美……キラメキ王子!
「名前さんっ!!」
「ほら名前、あんたの愛しのガーディアンが匂いを嗅ぎつけてやって来たわよ」
「……勘弁してよ……」
「あれー、イヴァ姐さんもいたんだ?」
「なに、私のことは眼中にも入ってなかったってワケ? 相変わらずの名前バカねぇ」
「やっ、ヤダなぁ姐さんそんな褒めないでよ〜」
「褒めてないから大の男がもじもじして顔赤らめないでくれる? そういう仕草は可愛い女の子がやってこそ真価を発揮するんだから。ほら名前お手本見せなさい!」
「何言ってんの……それよりイヴァ、この子にあんまエサ与えないで。調子に乗って直ぐつけあがるんだから」
「だから褒めてな……はぁ、もう良いわ」
「名前さんが今日オフだって訊いて、居ても立っても居られなくて……! 无ちゃん達と一緒に遊びましょうよー」
「却下。せっかくの休みくらい一人羽を伸ばして自由気ままに休みたいの」
「そんなつれないこと言わずに!」
「いーやーだ。じゃイヴァ、私部屋に戻るわね」
「はいはいお疲れ様」
「、名前さーん……」
「(……さながら主人に置いてかれた忠犬ね。眉だけじゃなく尻尾も下がってるわ)」


@結局ついてきました
「……で? なーんでアンタまで此処に居座ってンのかなぁ」
「だって……名前さん来ないって言うし。无ちゃんはツクモちゃんとお勉強始めちゃったし。花礫くんには視界にすら入れてもらえないし、しかも読書に集中してるから下手に声かけると怒鳴られるし。一人で寂しかったんですもん……」
「さすが花礫。一度相手にしたら付き纏わられるだけって見透してんのね」
「ちょ、名前さんもヒドいよー!! ……まぁ、だからつまり、俺には行くとこもやることも無かったから同じく暇そうな名前さんとこにお邪魔しようかなって思って……今に至りマス」
「よし、ハウス。回れ右」
「もはや人間ですら無い!? ぜっったい帰んないから!!」
「……え? 犬でしょ?」
「何その今更みたいな顔! 俺は歴とした人間だし、因みに名前さんのこっ、恋人でもあるんだからね!」
「へー」
「……、……めげそう……」
「落ち込むんなら自分の部屋でへこんでね。私は寝る」
「うわああああん名前さんのバカーッ!! 浮気者ー! けど大好きー!!」
「どさくさに紛れてナニ言っ……って、もう居ないし。早っ」


@愚痴と相談
「明日は雪でも降んのかしらね、あんたがあたしの部屋に自分から来るなんて」
「だってこんな女々しいこと姐さんくらいにしか話せないし……うっ」
「ああもうだからって人の部屋に来てまでメソメソしてんじゃないわよ鬱陶しい! 四六時中そんな弱気なようじゃ、いつ名前に愛想尽かされても不思議じゃないわよ!」
「えええっ。ど、どうしよう姐さん……! 俺名前さんと別れたくない……!!」
「なんか一気に話が飛躍したんだけど……まぁ良いわ。で、今回は何なのよ。名前があんたに素っ気ないのは今に始まった事じゃないでしょう?」
「う、うう、だって名前さん俺が側に寄るとスッゴくめんどくさそうな顔して……无ちゃんとか花礫くんには普通なのに、何故か俺だけには対応が冷えきってて」
「(それは本当に面倒なんでしょうね多分)」
「……俺はいつだって、名前さんのそばにいたいだけなのに、なぁ……」
「…………だったら、」
「姐さん?」
(ふいに笑った彼女の口角は、とても愉しそうに歪んでいた)


@泥酔しちゃいました
「あーあーあー……こんなでろんでろんに酔い潰れちゃってまあ。お酒強くないクセに」
「悪いわね、休んでるとこわざわざ引き取りに来てもらっちゃって」
「それは構わないけど……こんな酷い有り様になる前に止めてくれれば良かったのに」
「今のこの子に何言ったって糠に釘差すようなモンでしょ。言うだけムダ」
「だからってねぇ……」
「自棄になってたわよ、與儀。俺にももっと笑った顔見せてほしいーって」
「……」
「……で、ご覧の通りこんなみっともなく酔っ払っちゃったワケだけど」
「……ばぁか。ホント可愛いんだから」
「男の泣きそうな顔見て何が楽しいんだか。大概悪趣味よねー、名前も」
「誤解しないで、與儀だからよ。それじゃあ世話になったわね」
「ソレ運べる?」
「私だって闘員の端くれですから。男一人くらいチョロいチョロい」
「……それもそうね」


@でもね、だってね
「與儀、與儀ー。ほら部屋着いたわよ。ひとまず起きて水飲みなさい」
「……ん、んー……名前さん……?」
「そうよ、あんたの大好きな名前さん。水ベッドの横に置いとくからね」
「……名前さんだぁ……」
「は? ってちょっ、!」
「、ふふー……名前さんあったかいや……」
「っこら、急に引っ張んないでよ、危うく鼻打つとこだったでしょ」
「名前さん……俺ね……すごく、すごく不安だったんだー……」
「……」
「名前さん、俺といてもそんな楽しそうじゃないし、いっつも仏頂面でムスッとしてて怒ってるのかなって心配になっちゃうし、正直平門サンとかイヴァ姐さんと居た方が表情コロコロ変えるし、あれ、俺そんな顔見たことないなぁとか、見たいなぁとか、思って俺がいろいろ試行錯誤しても名前さんちっとも変わんなくて、」
「……うん、」
「そばに居たくても今日の昼みたいに疲れてるからーとか、一人が良いからーって言われて、我慢して我慢してずっとずうっと我慢して、会いたくても名前さんの意思尊重したいからひたすら堪えて、……俺、名前さんの恋人なのに、恋人なはずなのにって、つらくて……もう、こんな一方通行みたいな寂しい恋はやだよー……」
「……うん。そうね、ごめんね。少し與儀のことほったらかしにし過ぎちゃったね」
「……そーだよ、ほったらかしにされてた」
「うん、ごめんね。……これからはいっぱい一緒にいるから……許して?」
「……ホント?」
「ホントにホント」
「…………指切り」
「はいはい。げんまん、ね」
「……へへ、名前さん大好き」
「さっきも聞いたよ」
「いいの、俺が言いたいから言ったの」
「……そ。(子どもみたい、かわい)」



→でもこんなところで終わる與儀くんでは無く。電光石火で形勢逆転し、ベッドに彼女を組み敷いて些か強引に事に及ぼうとする。彼女が流石に今日は……!と抵抗しようとしても「俺、今までずっと寂しかったんだよ?死にそうなくらい切なかったんだよ?」と彼女にとって痛いところを突いて言いくるめる。で、情事中でももう無理と音を上げる彼女に対して「まだだぁめ、散々俺をほったらかしにした罰。ずーっとオアズケだったんだもん、俺が名前さんでいっぱいになるまで、名前さんが俺でいっぱいになるまで、今日はずぅーっと離さない、から」と、あの手この手で執拗に責める與儀くん。最終的には飼い犬に手を噛まれて痛いしっぺ返しを喰らう話。酔っ払ったら甘えん坊+隠れサドになる與儀くんとか萌えません?
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