＠銀與儀とご対面
「花礫くん匿ってっ！」
「はぁ？　どうしたんだよ」
「それが話してる時間が…っひぃ！　でた！！」
「あ、名前見っけ〜！　なんで逃げちゃうんだよ。人が遊ぼうって誘ってるだけなのにさー」
「あんたの遊びって言葉はロクなもんじゃないからイヤなの。どうせまた手合わせしようとかそんなとこでしょ」
「あれぇ、まだ何も言ってないのになんで分かったの？　名前っておバカさんなのにそういうトコだけは察しがいいよね？」
「ほんっと腹立つコイツ…元に戻ったら覚えてなさいよ……！！」
「つか何で銀髪になってんだよ、薬は？」
「それが、何かの拍子でパッチが外れちゃってたみたいで…薬は今ツクモと喰が持ってるの。で、私は捕まえようと単独で動いてたんだけど…」
「逆に追われてたってワケか」
「返す言葉も御座いません…。こうなった與儀は手の付けようがないのよ……」
「……ねえ、どうして二人そんな仲良さげなワケ？」
「そりゃあ恋人ですからね！！」
「バカ、お前…！」
「…へーえ？　イイこと思い付いちゃった」
「…………え。」
「っ、名前！！」
「名前を返してほしければ俺を捕まえてみなよ花礫！　じゃあねー！」
「ちょっ、まっ…わー！！」
「…ンのあほっ、言わんこっちゃねえ…！」


＠追いかけっこ
「っツクモ、いたか！？」
「ダメ、どこにも居ない！　はやく見つけないと名前が危ないかもしれないのに…」
「な、どういうことだよソレ」
「名前の扱う武器はバトンだろ？　だから闘う時はまるで踊るように舞って闘うんだ。その戦い方をあの與儀君はえらくお気に召したみたいで、現れては何かと名前に手合わせを迫ってるんだよ」
「喰君…」
「あいつがさっき言ってたのはそういうことか…チッ、面倒だな」
「まぁ、この艇のどこかには必ず羊達がいるし、余程のことが無い限り強行手段に出ることはないと思うけど…」
「強行手段ならとっくにもうやってるだろ。ったく、あのバカ……」
「そんなことより、早く名前を見つけてあげないと」
「そうだね。きっと今頃おちょくられて血圧上がりまくってるだろうから」
「ああ…想像つくわ……」


＠その通りでした
「っだあ！！　いい加減にしてよ與儀！　花礫くんまで巻き込んで何がしたいのっ？」
「えー？　んー、強いて言うならヒマ潰し？　みたいな？」
「ふざけんなコルァ！　離して！」
「やーだよ。せっかく面白いオモチャ見つけたのに」
「誰がオモチャだ誰が！！」
「だって名前だって見たくない？　あの花礫が血眼になって自分を必死に探してるトコ」
「……(ピタリ)」
「見たいんでしょ？　ねえねえ、見たいんでしょ？　素直になりなよ」
「っっるさい！　離して！！」
「やぁだ」
「もー埒が明かない！　誰か助けてえええ」


＠そして一波乱
「名前！！」
「…あーあ、王子様のご登場か」
「いや花礫くん王子様ってガラじゃな…ごめんなさい睨まないで！」
「テメェ後で覚えてろよ」
「なに、分かりづらい所に隠れてたのに愛の力ってヤツ？　感動的だな〜」
「じゃあさながら與儀君は二人を阻む悪代官だねってことで…隙あり！」
「っと！　アブナイなぁー、何すんだよ」
「ちょ、喰！　針が私に掠ったんだけど！」
「ゴメンゴメン。悪気はないんだ、悪意はあるけど」
「むしろ悪意の塊ですよね！？」
「もーどいつもこいつもウルサイ！　名前は今俺と遊んでんの、ジャマすんなよ！」
「與儀！」
「っへ……！？」
「うわ、名前の頬にキスしやがった」
「ッアイツ……！！」
「ひいいいい何すんの與儀！」
「ざまーみろ花礫！」
「───喰、その薬貸せ。あいつの背後押さえてろ。俺が殺る」
「花礫君、せめて半殺しにしてあげて」
「あーあツクモちゃんまで怒ってるし…まぁ良いか。悪く思わないでね、與儀君」
「……な、あっ！？」


＠一難去ってまた一難
「捕まってた私が言うのもなんだけどさ…與儀、ご愁傷様。起きたら絶対、燭先生の所に連れてってあげるからね」
「名前、それトドメ」
「相当振り回されたんだね…もっとも、名前よりお怒りの人は後ろにいるけど？」
「見ざる聞かざる振り向かざる」
「おい、コッチ向けよバカ女」
「今以外なら喜んで振り向きます！」
「今振り向けコノヤロウ」
「…じゃ、僕らはお邪魔みたいだから撤退しようかツクモちゃん」
「…そう、ね。名前、頑張って」
「見捨てないでツクモ私も行く！！」
「へぇ……ドコ行くんだ、よっ！！」
「ふぎゃ！　ちょっ、担がないでえええ」
※その後しっかり(お察しください)

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