@意外と押しに弱いんです
「(じー)」
「………」
「(じーっ)」
「………」
「(じぃぃっ)」
「…花礫君、なんです?」
「メシまだ?」
「いま下準備始めたばかりなんですけど」
「ハラ減った」
「あと三十分くらい待っててください。それくらいは待てるでしょ…ってコラ、言った側から摘まみ食いしようとしない」
「こちとら検査で昼メシ食いっぱぐれてんだよ。一口くらい良いだろ」
「だぁめ。ちゃんと人数分計算して作ってるんですから。今食べたら花礫君の分減らしますよ?」
「ちっ」
「舌打ちしてもダメです」
「…(じーっ)」
「……」
「(じぃぃっ)」
「…ああっもう! お昼に残ったおかずなら少しだけありますよ。食べる?」
「!! ソレ早く言えよ。食う」
「はいはい…」


@キイチちゃんの通せんぼ2
「名前さん!」
「キイチちゃん…」
「残念だな、俺もいるぜ」
「さよなら」
「人の顔見た途端、踵を返すとかひっでーなぁ。俺が逃すと思うか?」
「そこは目を瞑って逃がしてくださいよ、朔」
「ダメですぅ、帰しません!」
「キイチちゃん…お願いします。どうしても帰らなければ怒られるんです」
「知ったこっちゃないです。だいたい此所にいれば怒られるなんてこと無いですよぉ」
「その通り! あんな陰険ムッツリな平門の許じゃなく、俺達んとこ来いよ名前」
「今の言葉、一言一句洩らさず平門に伝えたらどんな反応するでしょうね」
「間違いなく俺の死亡フラグが立つな」
「朔ちゃんそこは負けるなですう!」
「ま、どっちみち平門には連絡済みだ」
「…は? どういうことです?」
「その内分かる」
「(嫌な予感しかしない)」


@拐われたピー○姫
「やってくれたな朔…」
「姫は預かった。返してほしくば我が城まで来い…って、料理長が朔さんに奪われた!?」
「クッ○かあいつは」
「じゃあ平門さんはさながらマリ…いやまだ何も言ってないですから、そんな僕を睨まないでくださいよ平門さん」
「どうするの、平門?」
「…上等じゃないか、売られた喧嘩は買ってやる。利子も付けて、倍返しでな」
「俺も行きます!! きっと料理長、今頃すごく恐がって…!!」
「いや寧ろ、あいつなら悠々と返り討ちにするだろ。あの万能包丁で」
「クッ○の威厳形無しね」
「で、最後はマリ○の平門さんに甲羅さえも打ち砕かれる、と」
「お前達さてはそのネタ気に入っただろ」


@戦争勃発
「さあ、俺の嫁を返してもらおうか」
「なぁにが嫁だ。良いようにコキ使ってるクセして」
「平門さんに500のダメージ!」
「朔ちゃんもっと言ってやれですぅ!」
「…はっ、幾ら誘っても相手にすらされてない奴に言われても、痛くも痒くもないがな」
「おっと今度は朔さんに450のダメージ!」
「熾烈な争いだわ…!」
「…え、なにこの心底くっだらねえ茶番」
「ああっ! 花礫くんの膠もない言葉により二人とも300のダメージを!」
「……こうなったら…」
「ああ……お互い奥の手を使うしかねえみたいだな……」
「ちょっと、なに貴方たちこんなところで場も弁えず帽子乙女使おうとしてるんですか。悪ふざけも大概にしないと削ぐぞ」
「…」
「…」
「…あ。勝者、料理長ー!」


@母は強し
「子供たちの教育に悪影響を及ぼすようなことはしないでください。良い歳してみっともない。中には无君やキイチちゃん、ツクモちゃんだっているんですから」
「あれ、料理長、花礫くんは?」
「良い子であることに違いはありませんが、純粋ではないから良いかな、と」
「テメェ…」
「ともかく、名前帰るぞ」
「ちぇ。じゃあ名前、今度来たときは泊まってけよ。酒の摘まみ頼むわ」
「またですか……飲み過ぎも程々にしてくださいよ?」
「名前が側で見張っててくれたら、そんなこともしねーんだけどなぁ」
「ほざけ。やらん」
「別に僕は名前さんが壱組に行こうが貳組に残ろうが構わないんですけどね。どっちに転んでも僕美味しいし」
「喰くんずるい!」

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